九里の光投に鷹もビックリ?でも鯉連敗
「交流戦、ソフトバンク2‐1広島」(21日、ヤフオク)
広島のドラフト2位・九里亜蓮投手(22)=亜大=が、7回4安打1失点と好投した。勝敗はつかなかったが、強力鷹打線を相手に先発の仕事を果たした。打線は得点圏であと1本が出なかった。交流戦の開幕2連戦2連敗は4年ぶり。ヤフオクドームでは10年5月21日の白星を最後に、翌22日から1分けを挟んで8連敗となった。
勝利に沸く鷹ナインをベンチからじっと見つめた。九里の胸中を支配したのは悔しさ。「勝ちに導けなかった」。敗戦の責任を背負う言葉が口をつく。それでも先発として責任は、十分に果たした。
三回まで毎回走者を背負った。初回、二回と先頭打者に四球。三回は1死から明石に中前打を浴びた。ここからの粘投がこの男の持ち味だ。内川、李大浩、松田、柳田…。「丁寧に低めに集める」投球で、パ・リーグ屈指の好打者を打ち取り、序盤のピンチをしのいだ。
0‐0の六回無死三塁で、今宮に先制の中前適時打を浴びた。しかし、続く内川を投ゴロ併殺に仕留めるなどで、この回を最少失点で切り抜けた。
尻上がりに調子を上げ7回4安打1失点。野村監督は「いい内容だった。オープン戦でやられたけどリベンジした」と高評価した。
ソフトバンクとは3月2日のオープン戦(ヤフオク)で対戦した。4回8失点でKOされ「自分の投球ができなかった。悔しかった」。同じ轍(てつ)は踏まない‐。「気持ちを前面に出していこう」。強い気持ちでマウンドに立ち結果を残した。
前回13日の阪神戦(米子)は、勝ち星こそ付かなかったが7回1失点。これで2試合連続での好投だ。
調整法の確立が好調の要因だ。開幕直後は「手探りだった」。試合開始30分前にブルペン入りし肩をつくっていた。だが「早めにつくり過ぎた」ことで、登板の際には肩が冷え、序盤で失点することが続いた。この日は「20分前」にブルペンへ。じっくりと肩をつくり鷹打線に挑んだ。
「持ち味は出せた。でも最初に四球を出したのが反省。次の登板までに修正したい」。結果を自信に変えながら、反省も忘れなかった。飽くなき向上心が、背番号12をさらに成長させる。
