「広島１３‐５中日」（１０日、マツダ）

　月が変わっても好調な打撃は変わらない。３、４月の月間ＭＶＰを受賞したエルドレッドが、３安打３打点と大暴れ。お立ち台で「ナイスバッティング！」と声を掛けられると、「アリガトウゴザイマス」と笑顔を振りまいた。

　打てない球はない。二回は内角直球を左前に運び、三回は２死三塁で外角のスライダーを左前へ勝ち越しの適時打。そして四回には２死二塁で内角直球を完璧にとらえ、左翼席後方の防球ネットに突き刺す１２号２ランだ。

　現在の調子のよさを自ら説明した。「しっかり右足に体重が残せていることで、スライダーが来れば軌道を見ることができ、直球ならば合わせてスイングできている」。春季キャンプで首脳陣と取り組んだ練習の成果が、結果に出ている。

　背中に浴びるカープ女子の黄色い声援も知っていた。「試合前のシートノック中に広瀬から（左翼席に）『女の子ばかりいる』と言われた」とにやり。「素晴らしいファンだね」と口元を緩めた。

　トップを走る打点に加え、打率で巨人・アンダーソンを抜き、本塁打でヤクルト・バレンティンと並んで３冠に躍り出た。「うれしいけど、自分の成績よりチームが勝つことが大事」。頼れる主砲が勝利のためにまだまだ打ちまくる。