大瀬良初完投!熱投148球首位守った

 「阪神1-6広島」(1日、甲子園)

 広島のドラフト1位・大瀬良大地投手(22)=九州共立大=が、プロ初完投勝利で首位を死守した。完封目前の九回にソロ本塁打を許したが、148球を投じて8安打1失点。ゲーム差なしに迫られていた阪神を下し、自身3連勝となる3勝目を挙げた。カープは“鯉の季節”5月を白星発進。この勢いで今月も駆け抜ける。

 最後は苦笑いだった。大瀬良が広島の新人では2011年の福井以来となる、プロ初完投勝利で3勝目。「とにかく気持ちだけは切らさないように。うれしいです。先発したら誰にもマウンドは譲りたくないものなので」と、はにかんだ。

 八回まで無失点。九回の打席に入ると、左翼席の鯉党から大歓声が起こった。97年の沢崎と黒田以来となる、新人の完封勝利へ期待が高まった。

 しかし九回、先頭のゴメスに中越えソロを被弾。2死から連打で二、三塁のピンチを迎え、指揮官から直々にマウンドでゲキを飛ばされた。「『完封は簡単ではない、切り替えろ』と言われました。自分もそう思っていました」。笑顔で輪が解けると、続く新井を二ゴロに打ち取った。

 148球を投じ、8安打1失点。特筆すべきは得点圏に走者を背負っての投球だ。三、六回は無死から、八、九回は2死からピンチを迎えたが辛抱した。5試合38回を投げて、9失点は本塁打と犠飛、失策が絡むもの。得点圏では24打席で適時打はゼロに封じている。

 自身の長所を「真っすぐで押すところ」と言う大瀬良。六回1死二塁、鳥谷に直球を4球続けて空振り三振を奪った。「いつも全力。器用なことはできない」と話したが、ピンチでストライクゾーンの直球で勝負できるところが魅力だ。

 初の甲子園を「歓声がすごかった。思い出のあるところで勝てて良かった」と感慨に浸った。長崎日大3年の夏、今は同僚の清峰・今村に投げ勝って甲子園切符をつかみ、プロを初めて意識した。甲子園では花巻東・菊池(現西武)に初戦で投げ負け、大学で成長してプロ入りを果たそうと誓った。休日だった先月26日、母校・九州共立大のリーグ戦を福岡で観戦。「ひたむきなプレーは僕の原点。思い出させてくれた」と、思いを新たに投げた。

 プロ初勝利を果たした4月16日・阪神戦(マツダ)も、ゲーム差なしに迫られての先発だった。再びチームを首位陥落の危機から救い、「野手にも助けてもらったので気合を入れました」とさわやかに語った。カープには頼れるルーキーがいる。

編集者のオススメ記事

カープ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(カープ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス