「練習試合、広島６-６ＤｅＮＡ」（２５日、コザしんきん）

　広島のドラフト２位・九里亜蓮投手（２２）＝亜大＝が２５日、ＤｅＮＡとの練習試合（コザしんきん）に先発し、３回２安打１失点の内容だった。初実戦だったが尻上がりに調子を上げ、打者１１人中７人を内野ゴロで仕留めた。野村監督の評価も上々で、目標とする開幕ローテ入りに向け、上々の第一歩を踏み出した。

　胸を張ってマウンドを降りる姿が、手応えを表していた。九里が実戦初マウンドで３回２安打１失点。「楽しかった。ゼロでない悔しさはあるが、課題は見えたのが収穫。特に三回は自分らしさを出せた。低めに球を集めて、構えるところに投げられた。点数？自分の中では３０点くらい」と、上々の実戦デビューを振り返った。

　相手は２２日・巨人戦で内海から２回８得点のＤｅＮＡ。一回、松本に右中間二塁打を打たれ「気分が楽になった」と開き直った。梶谷の不運な適時内野安打で１点は許したが、初回２死から７者連続で内野ゴロに仕留め、制球の良さをアピールした。

　低めにツーシーム、チェンジアップ、カットボールを集め、この日最速１４３キロだった直球を織り交ぜた。二、三回はともに三者凡退と完全に抑えた。「力は出せた。追い込んでも空振りを取るのはなかなか難しい。どう工夫するかがポイント」と、今後を見据えながら課題を口にした。

　野村監督は「四球で自滅するタイプではないし、テンポも良かった。いい出来だった」と及第点を与えた。捕手の石原も「低めに球が集まっていた」と、右腕をねぎらった。

　実戦向きの評判通り「試合の方が投げやすい。気持ちも入る。緊張はしなかった」と涼しい顔。同じ新人の大瀬良、西原が初実戦は緊張で硬くなったのとは対照的だ。１５日のシート打撃で打者８人に２安打２四球と低調に終わり「低めに投げられなかった」という反省を生かし失地回復。３回５３球の投球数にも「いい勉強になった」と、前向きに捉えた。

　開幕ローテは前田、バリントン、野村、大瀬良が当確。九里は「ローテに入らないと意味はない。食い込んでいきたい」と力を込めた。端正な顔立ちに笑みを浮かべ、存在感を大いに示してみせた。