堂林1号!飛んだ最長不倒140M弾

 「広島紅白戦、紅組1-1白組」(17日、天福)

 広島の堂林翔太内野手(22)が17日、紅白戦で初回先頭打者弾を放った。実戦での今キャンプ1号。中堅左へ、推定140メートル級の特大アーチだった。今年は持ち味のフルスイングを生かして、三塁の定位置奪回を狙う。対外試合が続く21日からの沖縄キャンプ前に行われる最後の実戦で、弾みをつけた。

 雨が降り注ぐ寒空の下、堂林が観客席のファンを喜ばせた。「1番・三塁」で出場した試合開始から1分。2ボールからの3球目だった。今井の失投、真ん中付近の直球を逃さず強振。打球は中堅左へ大きな弧を描き、芝生席上段に到達した。

 「最近は自分のスイングができていなかった。紅白戦で一番、完璧な当たりだった。しっかり振り抜けた」。表情を変えずダイヤモンドを一周した。

 16日までの紅白戦3試合で9打数2安打。納得がいかず、16日の試合後に自身の映像を確認した。「もう少し突っこみ気味でもいいと思った。それがはまった。あまり神経質にならず、打つことだけを意識した」。積極性の欠如を修正した。

 見逃し方も「カーブでも真ん中に来ていたら振れる体勢でいられた。それを意識している。あとは応用なので。崩れてでもヒットがある」と納得。四回の第2打席は変化球を引っかけた打球が、三塁ベースに当たる幸運な内野安打だった。それでも満足できるのは、設定した課題をクリアできたからだ。

 2打数2安打1打点の結果に、野村監督は及第点を与えた。「あれくらいは打てる打者。これで吹っ切れてくれれば。今年は形や講釈を忘れて、自然体で思い切り振ってほしい」と、期待を高めた。

 昨季は8月に左手を骨折し、チームのCS進出にはほとんど貢献できないまま終わった。右打ちに取り組み、三振を減らして打率を上げようとしたことを猛省。今季はフルスイングと長打にこだわり、三塁の定位置を奪い返す覚悟を抱く。

 21日からの沖縄キャンプでは対外試合7試合が予定されている。「初めての投手とも対戦する。それでも打ちにいくスタイルを変えずに、見極めができればいい」。やるべきことは、自身が一番よく分かっている。

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