広島の久本祐一投手（３４）が３日、広島市内の球団事務所で契約交渉に臨み、１３００万増の２３００万円で更改した。移籍１年目で先発、リリーフとフル回転した左腕は、来季は先発として、チームの優勝に貢献する意気込みを熱く語った。

　新天地で迎えたシーズンは充実していた。久本は移籍１年目の今季、先発、中継ぎにフル回転し、４３試合で３勝４敗１セーブ、防御率３・００。１３００万増の２３００万円の提示に「１年前のことを考えたらどういう金額でも判を押すつもりだった。野球ができる喜びを常に感じています」と感謝した。

　昨オフ、１１年間在籍した中日から戦力外通告された。それから１年。成長を実感したからこそ、新たな目標が見えた。「来年は先発をやりたい気持ちがすごい高ぶった。チームを勝利に導ける可能性が高いポジション」

　中日時代は計４試合しか先発登板がなかったが、今季は開幕から６試合、終盤２試合と、計８試合に先発し、１勝１敗、防御率２・９２だった。５月のリリーフへの配置転換を「不完全燃焼だった」と振り返る一方で、体に疲労がたまり「あのままだったら故障していたかもしれない」と課題も見つかった。

　１月に静岡県沼津市で行う自主トレでは、スタミナ強化とともに、打者を相手に投球しえ肩をつくる。シュートにも挑戦中だ。

　巨人にＦＡ移籍した大竹が抜ける先発陣。目標の白星数は「（大竹）寛ちゃんの半分（５勝）」と控えめだが、「チームは１６年ぶりにＡクラスに入った。もう優勝しかない」と、その言葉は熱かった。