大竹FA熟考…初交渉で残留宣言せず

 今季、国内FA権を取得した広島の大竹寛投手(30)が28日、広島市内の球団事務所で第1回残留交渉に臨んだ。球団から慰留されたが、この日は残留を明言しなかった。FA権を行使するかどうかは、熟考して結論を出す方針。今季、球団初のCS出場に貢献し、来季の野村鯉の命運を握る右腕の去就が注目される。

 その表情は、なぜか終始にこやかだった。初めて行われた残留交渉を終えた大竹は「今日(FA権について)話しました。FAについての説明や、球団の気持ちを聞かせてもらった。(残留してくれと)言ってもらったし、それには正直に『ありがとうございます』と言った」と、内容を明かした。

 球団の熱意は伝わった。ただ結論を急ぐことはなかった。「まだ(FA権を行使するか)決めていないし、今日球団と話したばかりだから。これから考えていきたい」と慎重に言葉を選んだ。

 今年4月にFA権を取得したが、落ち着いてFA権と対峙(たいじ)できたのは全日程終了以降だという。「シーズンが終わってからFA権について、じっくり考えるようになった」。球団史上初のCS出場で慌ただしいシーズンだったが、今やっと自分のことを見つめられるようになった。

 右肩痛で2年間苦しみながら、昨年11勝を挙げ、鮮やかに復活。今季も10勝し、2年連続2桁勝利をマークした。球団にサポートしてもらった恩は感じている。ただ今後の人生を大きく左右する権利だけに、簡単には決断を下すことはできない。「(FA権行使には)期限があるし、しっかり考えたい」と、何が自分にとって最高の選択なのか、納得できるまで時間を使うつもりだ。

 球団としては全力で残留に臨む。鈴木球団本部長は「ウチとしては精いっぱいやります。今年はローテ投手だったし、来年は今の戦力に上乗せして優勝争いをしないといけないから」と力説した。

 大竹がFA権を行使すれば、複数球団が獲得に名乗りを上げるのは確実だ。「他球団のことについては自分からは何も言えない」と白い歯を見せた大竹。来季も必要不可欠な戦力だけに、鯉党は残留を祈るしかない。

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