マエケン悪夢1泣…奇跡信じ第6戦待つ

 「セCSファイナルS・第2戦、巨人3‐0広島」(17日、東京ド)

 広島先発のエース・前田健太投手(25)は伏兵に手痛い一発を浴び、5回3失点で降板。打線も沈黙し、1勝のアドバンテージがある巨人に連敗。日本シリーズ進出に王手をかけられた。巨人は先発の菅野智之投手(24)がCS初登板初完封で、セCS最多タイの11奪三振。18日の第3戦に勝つか引き分ければ2年連続での日本シリーズ進出が決まる。

 まさかの一発に前田健も、ぼう然とするしかなかった。0‐0の三回1死一、二塁、迎えるは、第1打席で難なく三振に仕留めていた2番・寺内。あっさり追い込んだが、4球目、スライダーが真ん中に入った。

 左手1本ですくわれた打球はグングン伸び、左翼席ギリギリに飛び込んだ。先制を許す痛恨の3ラン被弾にエースは天を仰いだ。

 「甘かったと言えば甘かった。スライダー?曲がりが良くなかった」。球場からの帰り道、悔しさをこらえ質問に答えた。

 今季、対巨人は4戦で3勝0敗、防御率0・96と得意にした。前夜、接戦に敗れた際も「勝ち負けで僕の投球は変わらない」とキッパリ言い切った。

 ただ中4日登板に、前回登板で右手中指に血マメができるアクシデントもあった。さらに、この日は、マウンドで右腕を何度も回し、時折、顔をしかめた。WBC前には右肩痛を発症。4月には右腕の筋膜炎で抹消。野村監督が「マエケンはここ1カ月半、無理してもらっている」と言う体は満身創いだった。

 四回以降は直球の球速が140キロ前後。五回には指のマメを気にするしぐさ。五回終了後、ベンチで野村監督から肩をたたかれ、5回4安打3失点で降板。CS初黒星を喫した。

 「勝負は結果がすべて。(体が)万全であってもなくても、関係ない」。試合後、決して体調を理由にはしなかったのはエースのプライドだった。

 連敗し崖っぷちに追い込まれた。だがまだ終わっていない。第6戦までもつれれば、中3日で再び、前田健が登板する予定だ。

 14日に東京入りし、9月12日に誕生した愛娘に久々に会った。同15日に飾った誕生祝い星のウイニングボールも持参。「おむつ替えるのはめっちゃ速いですよ」と、愛する妻子と「うれしい」時間を過ごし英気を養った。

 エースには戦う体力も気力も残っている。「最後まで何が起きるか分からない。結果が決まるまであきらめない」。奇跡の逆転突破へ、仲間が再び出番を回してくれることを信じる。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

カープ最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(カープ)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス