梵トドメ打!クールな男がガッツポーズ

 「セCSファーストS第2戦、阪神4-7広島」(13日、甲子園)

 普段、クールな広島・梵が見せたこん身のガッツポーズ。三塁へ滑り込み、立ち上がると同時に右拳を握りしめた。「自然と出た」。終盤でリードを2点に広げる適時三塁打。高ぶる感情を抑えることができなかった。

 2‐1の七回1死二塁だ。安藤の外角へのスライダーにバットを出した。はじき返された打球は低い弾道で右翼線を突破。一塁を回りギアを上げると、全速力で三塁へ滑り込んだ。「追加点が欲しい場面で良いヒットが出た。外国人選手ばかりに頼ってはいられない」

 12日の初戦はキラが決勝3ラン。この日は六回にキラ、エルドレッドの適時打で逆転に成功していた。今季で入団8年目。中心選手のプライドがくすぐられた。2点差とする一打に野村監督も「普段はあんなガッツポーズは出ないんだけど」と驚きながら、手放しで称えた。

 広島野球の代名詞と言える機動力でも存在感を示した。右前打と敵失で出塁した九回1死二塁だ。迎の左飛で三塁へタッチアップした。「特徴はわかっていた。狙っていた」。左翼・マートンの守備位置や肩などを総合的に判断。見事に三塁を陥れた。

 続く天谷の打席で福原が暴投し、本塁を駆け抜けた。10年には43盗塁で盗塁王を獲得した。走塁に強いこだわりをみせる男の、果敢な“足攻”が追加点をもたらした。

 入団以来、誕生日に試合をする選手がうらやましかった。誕生日は10月11日。過去7年はBクラスで、誕生日前にシーズンが終わっていた。

 初のCSを決めた今年は、不運にもCSファーストS前日だった。「部屋で映画(G・I・ジョー)を見て過ごしたり、お祝いのメールを返信したりしました」。それでも「この時期まで野球ができている。今まではなかったこと」とうれしさをかみしめた。

 16日からは敵地で巨人と日本シリーズ進出を争う。「自分たちはチャレンジャー。上を目指して頑張りたい」。力強く言葉を結んだ背番号「6」。敵地でも暴れ回る姿を見たい。

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