4番キラV3ラン!苦手・藤浪を粉砕

 「セCSファーストS第1戦、阪神1‐8広島」(12日、甲子園)

 行った!選手、監督、コーチ、そして鯉党…。カープを愛する全ての者の思いがこもった打球が右翼席へ突き刺さった。「いい手応えだった」。勝利をたぐり寄せる3ラン。敵地・甲子園のほぼ半数が真っ赤に染まる中、殊勲の男・キラは大歓声を背中に浴びながらダイヤモンドを一周した。

 1‐1の五回2死一、二塁だ。藤浪が2ボール1ストライクから投じた135キロのカットボール。「一振りに集中していた。いいスイングができた」。快音を残して甲子園の空に舞い上がった打球は、一直線に右翼席へ。前田健が四回に1‐1の同点とされた直後の勝ち越し3ラン。エース、そしてチームを勇気づけたアーチだ。

 レギュラーシーズンでは藤浪と3度対戦。無安打に終わっていた。この試合、初回は見逃し三振に倒れたが、四回に中前打を放った。「それまでの打席で(藤浪が)カットボールと真っすぐしか投げてこなかった。(球の)軌道は頭に入っていた」。大一番で高い適応能力を発揮。ゴールデンルーキーを凌駕(りょうが)した。

 主砲の活躍に野村監督は「キラの一発は大きかった」と満足顔。新井打撃コーチも「今年(のチーム)を象徴した試合。互いに投手がいい。どちらかにホームランが出て決まると思っていた。3ランは効果的だった」と、手放しでたたえた。

 負ければ終わりの一発勝負。アメリカ時代にプレーオフを経験したことがあるというK砲は、この試合の重要性を誰よりも理解していた。「(初戦を)勝つか負けるかで(その後の)勝敗は違う。とにかく全力でやる姿勢が大事。それがプレーオフを経験した中で言えること」と力を込めた。

 巨人が待つCSファイナルSへ王手をかけた。それでも助っ人は浮かれることはなかった。「今日(12日)は勝ったけど、一線を引いて明日(13日)の試合を全力で戦いたい」。3位からの下克上を狙う野村鯉。そのバットで東京ドームへの切符をつかみ取る。

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