菊池49犠打!東出に並んだ球団タイ
「ヤクルト2-2広島」(28日、神宮)
また一つ勲章を手に入れた。延長十二回無死一塁。広島・菊池はベンチから出たサインを確実に遂行した。ロマンが投じた初球は高めのボール球だったが、難なく送りバントを成功させた。これでリーグトップの今季49犠打。01年に東出がつくった球団記録に並んだ。
ただ納得の送りバントではなかった。「見逃せばボール球だった。決められたことは大きいけど、もっと冷静にいかないといけない」。今回はたまたま成功したが、ボール球に手を出したことを反省した。
記録と言えば、26日の中日戦で二塁手の補殺数リーグ記録を塗り替えたばかりだ。この日も八回に山田の二遊間の打球を逆シングルで捕球し、体勢を崩しながら一塁へ送球してアウトする好守を披露。「打球がシュート回転で(自分の方へ)来たからね」と、当然のプレーと言わんばかりに振り返った。
補殺数と犠打と、いずれも渋い記録だが、「2番・二塁」の役割を果たしている証明であるのは間違いない。それでも「記録のためにやっているわけではない。サインが出れば(バントを)するし、出なければヒットを打つ」と職人らしく淡々と語った。
今や野村鯉にとって、なくてはならない存在になった菊池。「まだまだシーズンはあるから」。CSでも勝利のためにチームを支えるだけだ。
