「広島１‐９阪神」（１８日、マツダ）

　視線をグラウンドに落とした。先発の役割を果たせなかった悔しさ、自身の投球ができなかったふがいなさ…。「連勝を止めてしまって残念。自分の投球ができず悔しい」。さまざまな感情を押し殺し、四回途中で降板を告げられた広島・野村は、肩を落としてベンチに退いた。

　持ち前の制球力が影を潜めた。球が高めに浮いたところを痛打された。

　初回、新井に先制となる左前適時二塁打を浴びるなど３点を失った。立ち直る気配はない。四回にはマートンに左越え２ランを浴びた。「調子は悪くなかった」。それでも山内投手コーチは「腕の振りが少し甘かった。ボールのキレもなかった」と振り返った。３回２／３を７失点。今季最短、そして自身プロワーストタイの失点でＫＯされた。

　チームはＣＳへ向けての激闘が続く。決して言い訳にはできないが、中５日での登板が影響したのかもしれない。後半戦序盤は中６日が基本だった。だが、９月６日のＤｅＮＡ戦（横浜）の後は、この試合を含め２試合に中５日で登板した。

　疲労がたまるシーズン終盤での登板間隔の短縮。山内投手コーチは「その（中５日での登板）可能性はある」と話した。

　ただ、もちろん、初のＣＳ進出を目指す中で立ち止まることは許されない。同コーチは「もう一踏ん張りしてもらわないと」と、奮起を促した。「次はちゃんと自分の投球をしたい」意気込んだ野村。この悔しさを、次回登板で晴らしてみせる。