大竹4年ぶり完投!虎退治4安打1失点

 「広島2-1阪神」(17日、マツダ)

 女房・石原のサヨナラ弾の瞬間、ベンチの広島・大竹は、われを忘れた。「一瞬、何が起きたのか…。終わったと思った」。精魂を注ぎ切った122球が劇勝を呼び込んだ。

 09年10月10日の巨人戦(マツダ)で完封して以来、4年ぶりの完投で9勝目。今季は5月8日のDeNA戦(マツダ)であと1死から2失点し、8回2/3で降板。「今年1度はやりたい」と言い続けた完投星に、「言ってたことができて良かった」と笑みを浮かべた。

 わずか4安打1失点に虎をねじ伏せた。圧巻は1‐1の八回だ。2死三塁、代打・桧山を追い込むと、外角に今季最速タイの150キロを投げ込み、空振り三振。ガッツポーズし、吠えた。

 九回も首脳陣に「行けるか」と問われ、「行きます」と志願。西岡、坂、マートンとあっさり、3人を片付け、グラブをたたき気迫を表した。

 「(桧山には)しっかり腕を振って投げようと思った。いい球だった。終盤になっても球威が落ちなかったし良かった」と納得顔で振り返った。

 中5日で完投させた野村監督は「あいつは乗っていて途中交代させると、怒るから」と冗談めかして説明。「寛(大竹)が苦しい八、九回をよく抑えた」と褒めた。

 大竹は今季投球回を151回に伸ばし、2年連続で規定投球回も達成。バリントンに並び9勝目と前田健(14勝)、野村(10勝)との先発2桁勝利カルテットが、現実味を帯びてきた。

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