キラ4試合連発ならず…4タコ3三振

 「ヤクルト11‐9広島」(12日、神宮)

 4点の大量リードを許しても、左翼席をぎっしり埋めた鯉党は待っていた。九回、広島・キラの4打席目。4試合連続本塁打を願う大歓声の中、山本哲が投じた148キロの直球をフルスイングした。だがバットは空を切り、空振り三振。記録更新はならなかった。

 試合後はうつむき加減で、無言でロッカー室へ向かった。この日は4打数無安打、3三振、1四球。期待の本塁打どころか安打もなかったが、野村監督は「そんなに何度も打てるわけではないから」とかばった。

 3試合連発のDeNA戦と比べ、ヤクルトの投手陣は対策を練っていた。新井打撃コーチは「ヤクルトは低めにチェンジアップやフォークを投げていた」と分析。「フォークやチェンジアップをボールにしてもいいと思って投げてくる球を、いかに我慢できるか」と課題を挙げた。

 キラの存在がかすむほど打線は活発に打ったが、投手陣がひどすぎた。今季5度目の2ケタ失点。特に今季初先発の今井は3回8失点と大炎上だ。野村監督は「次の先発?厳しいでしょう」と吐き捨てた。

 借金は今季ワーストタイの12に逆戻り。順位は辛うじて3位タイ。「打線には粘りが出てきた。あとは投手陣が1点でも少なくするようにしないと」。キラ加入で上向きの打線に対し、下降気味の投手陣。指揮官の苦悩の日々は続く。

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