広瀬V打&2号!スタメン起用に応えた
「中日1-6広島」(13日、ナゴド)
ヒーローインタビューを終えた広島・広瀬は、相棒である漆黒のバット2本を抱えて最後にベンチからロッカーに戻った。「先に点を取るとマエケンはいいピッチングしてくれるんで、いい流れで点を取れて良かったです」。開幕して初めて心の底から笑った。
2日のヤクルト戦(マツダ)以来9試合ぶり今季3度目となる先発出場。左腕大野が先発で不振のルイスに代わり3番に抜てきされ、初回に1死二塁の好機が巡ってきた。カウント1‐2と追い込まれながら4球目のツーシームを左中間に先制適時二塁打。五回には1‐2からのスライダーを「ちょっと詰まり気味だったので入ると思わなかった」2号ソロを鯉党が待つ左翼席へ運び、中押し点をたたき出した。
開幕日の3月29日に34歳になった。プロ13年目のベテランは、若手の台頭で出場機会が減っている。前日は同じ外野手の松山が決勝アーチをかけた。その試合前には「松山がスタメンだから」とトレーナーとのチューブトレーニングの順番を譲った。ライバルでもある若手を気遣う優しさを持つ男である。
今季1号を放った2日のヤクルト戦は、黒星が続き序盤の好機に凡退し敗因をしょいこんだ。この日は違う。「若い選手が頑張っているんで、若い人に負けないように元気を出して頑張っていきたい。明日も勝ちます!!」。大声を張り上げた広瀬の笑顔が、勝率を5割に戻したチーム状態を物語っていた。
