新助っ投ソコロビッチいきなり147キロ
「広島春季キャンプ」(11日、日南)
広島の新外国人ミゲル・ソコロビッチ投手(26)が11日、初のフリー打撃登板で、他球団の007をビビらせた。来日して初めて打者に対して投球し、最速147キロをマーク。阪神、ヤクルト、DeNAらライバルチームのスコアラー陣を警戒させた。外国人枠の問題はあるが、新助っ人右腕の加入で投手陣の戦力アップは間違いない。
これが“5番目の外国人”とはぜいたくだ。球の出どころが見にくい腕の振りから、重く、鋭い直球が次々とミットに突き刺さる。まだ春季キャンプ第2クール最終日にもかかわらず、最速は147キロを記録。打者に対して初めて投げたソコロビッチに、首脳陣、ファンの視線がくぎ付けになった。
石原、前田智、新外国人のルイスに対し、計32球を投げ、安打性の打球は1本だけ。ボール球が19球と制球が乱れたことを差し引いても、打者が手こずっていた。ルイスはフリー打撃にもかかわらず、直球に空振り。新助っ人右腕は「調子はよかったよ。気持ちよく投げることができた」と満足そうに振り返った。
打ちにくい理由は投球フォームにある。球を受けた倉は「テークバックが小さいから、見にくい感じがする」と説明。前田智も関係者に「球が速い。ツーシームもいい」と驚いた表情を見せていた。
他球団の007もうなった。阪神の御子柴スコアラーは「新戦力として警戒していかないといけない存在」と語り、DeNAの米スコアラーも「ツーシームを右打者にコントロールできるようになったら怖い」と真剣な表情。ヤクルトの衣川スコアラーも「野手投げのような感じなのでタイミングを取りづらい」と警戒心を示した。
逆に野村監督はうれしい悲鳴だ。1軍の外国人枠4人は、現時点ではバリントン、ミコライオ、ルイス、エルドレッドが有力。“控え”の外国人としてソコロビッチを獲得しただけに「ミコライオと違うタイプでおもしろい。147キロもいいね。まだ早い時期だし、楽しみ」と、今後も競争させていく考えだ。
一気に評価が上がったソコロビッチ。「きょうは(打者に対して投げるのが)初めてだし、球にばらつきがあったが、修正できる。次もフリー打撃に投げ、試合に入るという感じだね」。し烈な外国人枠争いが、開幕まで繰り広げられそうだ。
