貯金独占の岡田阪神を止める球団はどこか?ポイントは「貯金3をいかに作れるか」「可能性が高いのは広島、巨人」評論家が分析

 開幕から約1カ月、阪神が15勝9敗4分けでセ・リーグの貯金を独占した形になっている。3ゲーム差離れた2位・巨人は勝率5割、借金1で中日、広島、同2でDeNA、ヤクルト。交流戦までを一区切りとして、どこが阪神追撃の一番手となるのか-。阪神、広島、オリックスで指導者を歴任したデイリースポーツ評論家・岡義朗氏は「貯金3をいかに作れるか」と分析する。

 2位・巨人は投手陣が安定。先発陣では菅野が復調し、戸郷、山崎伊らが安定した成績を残している。リリーフ陣も守護神・大勢を筆頭にバルドナードらの勝ちパターンだけでなく、ビハインドで登板する投手も粒ぞろいだ。

 一方でチーム打率が・227とリーグ最下位に低迷。「ペナントレースの鉄則として打つ力は必要。春先はピッチャーが良くて走る可能性はあるけど、疲労や相手の慣れが出てくる。特に夏場は打力。そこが現状の課題だよね」と岡氏は分析する。中日にしても「最初は投手陣の力で貯金を作ったけど、リリーフ陣も含めて目いっぱい戦っていた印象。今、阪神が投手を試しながら起用していることを考えれば、何か野手で爆発的な活躍をする選手が出てこないといけない」と指摘する。

 広島は「外国人2人が離脱するなど戦力的に厳しい中でも、新井監督の粘りの野球で持っている。去年もそうだったけど、メンタルの部分で5割前後を戦っている」とし、DeNAとヤクルトは「打線はいいものがある、力があるんだけど、防御率(DeNAは3・41、ヤクルトは3・34)を見ても、投手陣が整備されてこないと浮上できない」と分析した。

 どの球団も課題が浮き彫りとなる中、解消していくために必要となるのが「貯金3」というライン。「貯金が3くらいあると、監督が思いきって新戦力を試したり、大胆な起用ができる。今の阪神がそうだけど、漆原や浜地を延長の同点の場面で起用してみたり、先発で門別を試してみたり。そこで成功すれば選手は成長する。失敗しても課題を持って取り組めばいい。貯金があるからこそ先のシーズンを見据えて戦力を整備できる。岡田監督の起用からはそういう意図が感じられる」と評し、「これが借金のあるチーム、5割前後のチームはなかなかできない。どうしても目の前の1試合を全力で勝ちにいかなきゃいけない。だから貯金3くらいになるとベンチは雰囲気がかわる。そこで試してみようという形になる」。過去の指導者経験を踏まえた上で、いかに貯金を持つかが重要な要素だという。

 その上で「ここまでの戦い方を見て可能性が高いとすれば巨人、広島。巨人は坂本、丸が岡本和の周りを固められるようになれば他の若手選手にもいい影響が波及していく。広島は戦力以外の部分で新井監督が『家族』と称して選手にやりやすい環境を作っている。モチベーションは他の球団と比較しても上にいける要素になるんじゃないか。実際に去年も故障者が出た中で2位。今年もその粘り強さはある」と分析した。

 首位の阪神は「投手陣の層はやっぱり厚い。ビハインドで投げる投手がいいから、例え負けていても勝つチャンスが生まれる。野手もバランスがとれている。下位打線からでも点が取れる形を持っているし、岡田監督が先を見据えた戦力整備をしているから、隙がない」と岡氏。「明日から阪神は巨人、広島6連戦。ここで両チームがどういうゲームができるかもポイントになる。そして交流戦前にも阪神は広島、巨人と6連戦。日程的に考えても、この2つが阪神に待ったをかける一番手にならないといけないし、その可能性を持っているチームと言えるでしょ」とし、「逆に阪神を止められなければ一気に独走という形になってもおかしくない」と今後を展望した。

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