巨人の「捕手論争」が再燃 なぜ?打の大城起用減 小林、岸田の出場増 評論家の視点「小林が壁を打ち破ったのもあるし、大城にズレがあるのでは」

 巨人は前2カードで接戦を取りきれず、3敗3分け。20試合を消化し、トータル9勝8敗1分けで3位となっている。

 現在のチーム状況で最も深刻なのが得点力不足。前2カードの6試合では計4得点に終わった。つながりを欠き、チーム総得点50はリーグ最下位となってしまった。

 貧打に苦しんだ6試合、ファンの間で注目されたのが捕手の起用法だ。開幕から大城が正捕手を任されてきたが、前2カードのスタメンマスクは小林が3試合、岸田が2試合、大城が1試合だった。

 大城は昨季134試合に出場し、打率・281、16本塁打、55打点。打てる捕手として侍ジャパンにも選出されている。かつて、小林と大城の立ち位置が逆転した際にもファンの間で過熱した巨人の捕手論争だが、これが再燃する形となり、ネットでは「大城ファーストにして岡本レフトを守ってもらったほうが良いんじゃないか」、「小林が復活したのはでかい」、「大城の打撃が必要」、「3人を併用すれば良い」などの声が上がっている。

 巨人OBで、デイリースポーツ評論家・関本四十四氏はこの状況をどう見るか。「大城の体調面が問題ないのであれば、ちょっと不思議ではあるよな。やっぱりあのバッティングは魅力で、投手の目線からすれば6番、7番に一発のある大城がいるのは怖い。今年は20発打つのではないかと思っていたから、大城を軸に使うのだろうとは思っていた」と話す。

 一方で、開幕前から小林の存在の大きさを語っていた関本氏。「守備で安心感があるのは小林。見ていると、大城と岸田はマスクを被りながらベンチを見ているから、配球のサインが出ていると思う。小林は菅野とのバッテリーで結果を出し、壁をぶち破った。今のところ他の投手もうまく導いていて、さすが小林、となったところもあるのでは」とした。

 ここまでの20試合で大城がマスクをかぶった試合は5勝6敗で失点平均は2・74。小林は3勝1敗2分けで同0・35、岸田は1勝1敗1分けで同1・24となっている。一方で打撃が売りの大城は打率・255、小林は打率・111、岸田は打率・455と好調だ。

 関本氏は「岸田もコツコツと安打は出るけど、打撃では大城が抜けている。小林の強肩は知られているけど、大城も昨年の盗塁阻止率(リーグ2位の3・73)は悪くない」と評価する。

 リード面はどうか。「確かに小林には落ち着きがあるし、岸田も思いきったリードができる。数字を見れば大城に不安があるのかもしれない。20試合で判断するのは難しいが、大城は戸郷と組んだ試合(五回までに4失点)で六回からバッテリーごと代わった試合があったり、20日の広島戦も井上とのバッテリーで初回に4失点。これまでを含めて、あれ?ということが積み重なったのではないか」とした。

 さらに、「相手打者への攻めというのはある程度、ミーティングで指示が出る。もしかしたら配球以外でも阿部監督と大城の間にズレがあるのかもしれない。ミットの構える位置だったり、投手への仕草だったりな。一度、ベンチから見る試合を増やして、冷静に勉強させたい考えもあるかもしれない」と語った。

 現役時代、球界を代表する名捕手だった阿部監督。今後もその起用法や育成法に注目が集まりそうだ。

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