ヤクルト・村上 2戦連発の決勝3号 今季神宮初弾で逆転勝利 猛打賞で打率上昇、首位打者に
「ヤクルト4-3DeNA」(19日、神宮球場)
滞空時間の長い弾道を見つめ、ヤクルト・村上宗隆内野手(24)はゆっくりと歩き出した。「完璧でしたし、久しぶりって感じです」。打球の行方は分かっている。2戦連発の3号ソロは逆転勝利を決める決勝弾。バットを放り投げ、駆け出した。
神宮に令和の三冠王が帰還した。マルチ安打と快音を響かせ続け、迎えた同点の八回。先頭で打席に向かうと、2球で追い込まれた。それでも3球目、高めに浮いた直球を見逃さない。「行ったな」-。ファンの待つ右中間席中段まで届く“本拠地1号”。大歓声と落胆が交差する中で、悠々とダイヤモンドを一周した。
開幕から、なかなか打点&本塁打に恵まれない打席が続いた。焦りはない。だが、周囲からの雑音は自然と目に入り、耳にも届いた。「球自体もしっかり見えている。まだ(シーズンは)始まったばかりですし、出る時はくる」。自らに言い聞かせるかのように、ブレずに前を向いてきた。
人生初の2番も経験するなど、きっかけを探す日々もあった。移動ゲームとなったこの日の試合前練習でも、「体が固まっていた」と積極的にロングティーも取り入れた。前カードの名古屋遠征中には同僚・西川に頼んでバットをもらうなど、変化を恐れない姿勢で前進を続けている。
猛打賞で打率は・333に上昇し、首位打者になった。今季初のお立ち台から見る景色を目に焼き付け、「一緒に優勝したい」。村上は力強く、ファンに誓った。