巨人今村社長直撃インタビュー「阪神が強くなってくれないと球界も困る」

 巨人の今村司球団代表取締役社長兼編成本部長(59)が、デイリースポーツの「番記者突撃インタビュー」に応じた。2020年の伝統の一戦、巨人-阪神戦を盛り上げるためのスローガンとして「巨虎劇動(きょとらげきどう)」を掲げ、阪神には巨人のスター軍団に対抗するスター選手の誕生を期待。関東、関西の雄として、両球団が熱戦を繰り広げることを切望した。

  ◇  ◇

 -今年はいよいよ東京五輪が開催される。歴史に残る年に連覇は至上命令。

 「オリンピックは世界でトップのスポーツイベント。昨年、プレミア12を優勝して、こういう時に野球というスポーツを世界中に発信する格好の舞台ですよね。みんな日の丸の意義を感じています。坂本も岡本も丸も菅野もみんな意識してやっていますよ」

 -五輪開催の機運で伝統の一戦も例年以上に盛り上げたい。

 「いつも言うように関東の巨人、関西の阪神のこの両輪でセ・リーグを引っ張っていかないといけないとはすごい思っています」

 -伝統の一戦は巨人が8年連続で勝ち越しと、一方的な展開になっている。

 「対戦成績というよりも、なぜ伝統の巨人-阪神戦なのかといったら、結局は人なんですよね。それが村山さん対長嶋さんとか、王さん対江夏さんとか。今でも。じゃあ坂本に対して誰かピッチャーがいるのとか、岡本に対して誰がいるのとか、菅野の好敵手は誰なのか、VSの構図が阪神に見えづらくなっているのがあるんじゃないですか。そこだと思いますよね」

 -少し前では金本、鳥谷対巨人の好投手とかしびれる対戦があった。

 「そうそう。そういうのがありました。昔なら井川君と巨人打者との対戦もワクワクしましたし(阪神の)スター不在というのがちょっと、あるかもしれません。それぞれが個を伸ばしてほしいですね。でも、阪神も、西(純)君を取って、甲子園のスター、関西のスターを取るというようになってるじゃないですか。そういうストーリーがあって生まれてくるわけですよね」

 (続けて)

 「僕らジャイアンツも一番、大事なのは素材の発掘と育成だと思っているので、昔の多摩川育ち、ジャイアンツ球場育ちでやっぱりルーキーの時からの成長物語があって、それで1軍で活躍してもらうのが一番ファンの支持を得ると思うんです。それを巨人も阪神も、それぞれのストーリーを持った戦いをやっていくと、伝統の一戦にふさわしい形になるんじゃないでしょうか」

 -甲子園のスターといえば藤浪が近年、苦しんでいる。

 「藤浪君は苦しんでいると思いますけど、すごい才能だと思うんですよ。大阪桐蔭からのストーリーがあって。当時は間違いなく大谷君と藤浪君だったんだから。球界を背負える投手が巨人の打線をバッタバッタ三振を取って、甲子園球場が沸く。阪神ファンが留飲を下げる構図としてはいいわけですよ。ジャイアンツも負けないようにして坂本、丸が挑んでいく。阪神が強くなってくれないと球界も困るというのはありますよね」

 -球界1、2の人気を競う両球団の個々が熱い勝負を演じてほしい。

 「そうですね。東京代表、関西代表という文化圏の戦いなわけですから。お互いが、それだけ支持されている球団ですし」

 -伝統の一戦のスローガンとして「巨虎劇動」を掲げたが、どういう思いを込めて作ったか。

 「ジャイアンツとタイガースがドラマチックに動いてほしいと。巨人と阪神が劇空間、劇場、ショータイムで激しく動き回る。そこで両チームのファンの心を動かすような試合を、それぞれの選手が好勝負を演じてほしいという願いを込めてですね(笑)」

 -社長は常々、選手にセルフプロデュースを積極的にしてほしいと言っている。

 「スポーツ界を目指したりする人たちの憧れの対象、モチベーションになってほしいじゃないですか。憧れが一番のモチベーションになりますし、そういう存在であってほしいと阿部、坂本とも話しました。自分がやらなきゃいけない役割とか、新聞の見出しになることを言った方がいいとか。両チームがお客さんを意識した戦いを今年も見せないといけないですね」

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