桜美林大・佐々木 ドラ1抽選で因縁の金本阪神VS真中ヤクルトが再び一騎打ちへ

 「プロ野球ドラフト会議」(20日、グランドプリンスホテル新高輪)

 阪神がドラフト1位指名する方針を最終確認した桜美林大・佐々木千隼投手(22)が19日、東京都町田市内の同校グラウンドで取材に応じ、同級生の阪神・藤浪、日本ハム・大谷への思いを語ると同時に、世代最強の道を歩んでいくことを決意。ドラフト会議は20日の午後5時から行われる。昨年の高山と同じく、阪神とヤクルトの一騎打ちになる可能性があるが、最速153キロ右腕は12球団OKの姿勢で運命の時を待つ。

 桜並木を横目に、4年間の汗と涙が詰まったグラウンドを駆ける。阪神が早くから1位指名を固めていた佐々木は、純朴な22歳の青年だった。「指名していただいたところで、頑張らないといけない」。12球団OKの意思を明言し、覚悟を決めた右腕。大きな瞳は希望に満ちていた。

 しかし、球界を代表する同学年の投手に話が及ぶと、表情は一気に険しくなる。「大谷君も藤浪君も同級生ですけど、雲の上の存在なので。自分はまだまだ勝負できる舞台に立っていないんですけど、早く勝負できるくらいの実力をつけて、その立場になりたいです」

 日野高時代は、3年夏の西東京大会8強が最高成績。桜美林大進学後も、4度の完封勝利でベストナインに選出された4年春まで「(プロは)自分がいけるような場所だとは思っていなかった」。一方、プロ4年間で42勝を挙げた藤浪と、日本球界最速の165キロを計測するなど“二刀流”で進化する大谷の存在も右腕の心を刺激している。

 津野裕幸監督(45)は佐々木を「努力をし続けることができる選手」と評する。2年秋までは特別コーチとして指導してくれた元巨人の桑田真澄氏に制球の極意を学んだ。3年春からは、同じく特別コーチで元横浜(現DeNA)の野村弘樹氏から体重移動の重要性を伝授された。

 球速は入学時から10キロ以上アップし、最速は153キロまで向上。今春からのリーグ戦で7完封と安定感抜群の投球を見せ、さらに53イニング連続無失点も達成。いずれも、11年に東海大・菅野(現巨人)が樹立した連盟最多記録に並ぶ快挙だ。7月には大学日本代表として日米大学野球選手権にも出場し、国際舞台も経験した。

 「明日のドラフトは笑顔で終われればいいと思っているので。そこがゴールではないし、やっとスタート地点に立てる」

 レンジャーズ・ダルビッシュに憧れ「少しでも近づきたい」と話す右腕。阪神とヤクルトの一騎打ちになる可能性がある逸材は、取材終了後すぐにシャドーピッチングを始めた。努力なくして成長はない。季節外れの暖かい日差しが22歳の挑戦を後押しする。夢に見たプロの世界へ、その時を待つ。

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