早実清宮気合?ズボンの尻破って因縁の明治破った!

 「高校野球西東京大会・4回戦、早実6-2明治」(16日、ダイワハウススタジアム八王子)

 西東京大会では、昨夏甲子園4強の早実が逆転勝ちで16強に進出した。清宮幸太郎内野手(2年)は3試合連続本塁打こそならなかったが、六回に適時二塁打を放って1安打1打点。スライディングでユニホームが破れるなど、気合の入ったプレーを見せた。次戦の5回戦は国士舘と対戦する。

 なかなか姿を現さなかった清宮が、遅れて守備に向かった。「ズボンですって感じです。よくあります。(高校で)4着目ぐらい」。直前の三回の攻撃で三塁に滑り込んだ際、ユニホームの右の尻付近が破れていた。「(替えがあり)本当に助かりました」と、照れくさそうに明かした。

 今大会初めて先制を許す展開。内外角を際どく突く相手に、最初の2打席は四球と死球。四回には低めの変化球を今大会11打席目にして初めて空振りした。だが、豪快な一発はなくとも泥臭くプレー。破れたユニホームはその象徴だ。勝利を決めるアウトも、一邪飛をフェンスにぶつかりながらつかみ取った。

 ヒットもしっかり1本出した。六回に2点を勝ち越してなお1死三塁から、2球続いた内角直球を右翼線に運ぶ適時二塁打。「狙い通りにうまく打てた」と振り返った。

 エース・王貞治を擁した58年の決勝で敗れたのが明治。和泉実監督(54)から試合前にその事実を聞かされ、伝統の“早明戦”にさらに気合は入った。「厳しい展開になるのは分かっていた。因縁のある相手に勝ち切れたのは大きい。そんなに(打撃は)よくないかなと思うけど、勝つことが一番」と清宮。取材中も表情が緩まなかったのも、昨夏の経験があるからこそ。早実の主砲として、険しい聖地への道を切り開く覚悟はできている。

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