中田バット叩きつけたら満弾ハム5連勝
「オリックス2-7日本ハム」(5日、京セラ)
悔しさのち歓喜。千両役者は、やはり魅せてくれる。場面は五回だ。1点を勝ち越し、なお2死満塁。ここで日本ハムの4番・中田が、山崎福の真ん中に入る直球をフルスイング。打球が高く舞い上がると、中田はバットをたたきつけて一塁へ向かった。
「打った瞬間、レフトフライだと思った。チャンスだったので悔しかった」。だが、打球は本人の予想を超える伸びを見せ、左翼席へ吸い込まれる。三塁塁審が手を回すのを見て、中田は少し驚いた表情を浮かべてダイヤモンドを一周した。
14年7月25日の楽天戦以来、自身通算2本目となるグランドスラムで、試合の流れを一気に引き寄せた。まさに4番の仕事だ。
「投手を楽にしてあげたかったので、すごくうれしかった。調子のいい打者が多いので、僕ものびのびと打たせてもらえている」
この試合まで最近5試合は打率・222。決して順風満帆だったわけではない。だが、ここぞの場面での一発。栗山監督も「普通です。ああいうところで打ってくれるのが中田翔」と独特な言い回しで信頼感を示した。
5連勝で単独首位をキープ。「(チームは)すごくいい状態ですね」と中田。雨風に負けず力強く咲き誇る大阪の桜のように、鮮やかな3戦連続の逆転勝ちだった。



