松山東 逆転終幕も7000人超大歓声

 「選抜高校野球大会・2回戦、東海大四3-2松山東」(28日、甲子園)

 21世紀枠で82年ぶり出場の松山東は、東海大四に惜しくも逆転で敗れ、8強入りはならなかった。初回に主将の4番・米田圭佑捕手(3年)が先制2ラン。エース・亀岡優樹投手(3年)も好投を見せたが、八回に5安打を浴びて3点を失い、力尽きた。

 7000人を超える大応援団から悲鳴が上がった。2-0で迎えた八回、1点差に詰め寄られ、なおも1死二、三塁のピンチ。松山東のエース・亀岡が東海大四の4番・邵に投げた2球目だった。直球を右前にはじき返され2者が生還。この回3点を失い、目前に見えていた8強入りの夢を逃した。

 「米田は外に構えていたけど、甘く入ってしまった。自分の失投です」。亀岡が後悔の表情を浮かべた。初回に主将の米田捕手が左翼ポール際に先制2ラン。女房役の一振りで「楽に投げられた」が、中盤以降は相手打線に宝刀・ツーシームを見極められ苦しんだ。

 3安打2打点と活躍した米田主将は、それでも「亀岡を援護できなかった」と悔やむ。

 学校で2人はこの1年、2年4組でクラスメートだった。名門進学校だけに練習時間は短く、教室はバッテーリーにとって貴重な場所。毎日一緒に弁当を食べながら配球について議論を重ねてきた。

 82年ぶりの出場に野球部OBや卒業生らは沸き返った。1回戦で二松学舎大付からセンバツ初勝利を挙げ、大応援団は涙を流しながら校歌を歌った。亀岡と米田が両輪となってチームを引っ張り、地鳴りのような大歓声を聖地に響かせた。

 亀岡は目を潤ませながら「夏、もう一回ここで、みんなと校歌を歌いたい」。米田も「打撃を向上させて帰ってきたい」と力強く誓った。野球部創部にかかわったとされる俳人・正岡子規にならい、学業と野球に打ち込む松山東ナイン。強烈なインパクトを残して、82年ぶりの春は幕を閉じた。

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