楽天・安楽、初実戦で1回3人斬り2K

 「教育リーグ、ヤクルト2-2楽天」(12日、戸田)

 楽天・ドラフト1位の安楽智大投手(18)=済美=が12日、イースタン教育リーグのヤクルト戦(戸田)の八回に実戦初登板し、1回を無安打無失点。最速は146キロで、2三振を奪った。自己採点は「50点」と厳しかったが、大器の片りんを随所に見せた。

 堂々としたプロ初登板だった。先頭の川上を直球2球で追い込むと、捕手・下妻の直球のサインに首を振った。「真っすぐが走ってなかったので、スライダーを決め球にしようと決めていた」。意図を込めて投じたボールは外角ギリギリに決まった。3球三振。スタンドからはどよめきの声が上がった。

 この日投じた12球はすべて、セットポジションから。横山ブルペン捕手からの「セットの方がバランスがいい」という助言を冷静に受け止めた。「振りかぶるのは、セットで内容が良くなった後でもいい」と安楽。アピールへ前のめりになっていたキャンプ中の姿は消えていた。

 予定を前倒しての実戦デビューとなった。遠投からじっくりフォームをつくり直す計画だったが、ブルペンでの内容が良く、登板を踏まえながらの育成へ路線変更。結果で応えた右腕に対し、酒井2軍監督は「サインに首も振るんだから、大したもん」とうなずいた。

 今後はホーム限定で、1イニングの登板が続く。「1日でも早く1軍に上がりたい気持ちはある」という安楽に対し「今年はファームで投げて、来年はファームのローテーションを守って、1軍に上がるのは再来年」と同2軍監督。潜在能力と認めるからこそ、大事に育てる。初登板で、その可能性の高さを感じさせた。

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