中畑Deサヨナラ!4連勝5月首位だぜ

 「DeNA3‐2ヤクルト」(11日、横浜)

 DeNAが今季初のサヨナラ勝ちで、今季2度目の4連勝を飾った。1軍に昇格したばかり井手正太郎外野手(30)が延長十回に決勝打を放つなど、中畑清監督(60)の起用がズバリ的中。好調の5月はリーグ首位の成績となり、勢いに乗ってきた。

 こんな試合がしたかった。スタンドを揺らすファンの大歓声が心地いい。今季3度目の延長戦で、今季初のサヨナラ勝ち。歓喜の輪が解けると、中畑監督は殊勲打を放った井手をグッと抱きしめて、頭をポンとはたいた。「苦しい展開の中で踏ん張って、最後に取れた。ナイスゲーム」。ベンチ裏でも、興奮そのままにまくし立てた。

 タクトがさえまくった。左内転筋痛で登録抹消された後藤の代役に、本職は外野の井手を一塁で昇格即スタメン起用。守備の不安には目をつむり「打撃で勢いをつけてくれる。いい時に使ってあげないと」と、ファームの直近3試合で13打数9安打と大爆発していた絶好調男にかけた。

 すると、井手は七回に左前打で1点目をお膳立て。そして、延長十回2死満塁から一塁線を破るサヨナラ打。カウント3‐1、高めのボールは見逃せば押し出し濃厚だったが「四球狙いはなかった。迷いなく打てた」と失敗を恐れなかった。そんなヒーローを、指揮官も「気持ちいい決め方をしてくれた」とたたえた。

 それだけではない。途中出場の白崎が七回の適時二塁打を含む2安打。八回の代打・荒波は二塁打を放ち、延長十回の代打・下園は四球で、得点に絡んだ。七回から国吉、三上、長田とつないだ救援陣も無失点。ズバズバと当たった用兵に、中畑監督は「役割分担が決まって、動きやすいのでは」と要因を分析。「これだけ期待に応えてくれると采配のしがいがある」と目尻を下げた。

 ここ12戦で9勝。5月は7勝3敗で、リーグトップの成績だ。サヨナラ直前、ナインが一斉にベンチで身を乗り出した一体感たっぷりの光景に「全員一緒は初めてじゃないかな。ものすごいうれしかった」と中畑監督。最後は「もう、はしゃいでもいい?」と“キヨシ節”で締めくくった。

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