「楽天６‐１西武」（２４日、東京ド）

　ドラ１ルーキーが登録抹消された日に、２年目のドラ１左腕がプロ初勝利を挙げた。楽天・森が６回途中まで１失点の好投。お立ち台に上がると「うれしいです！長かったというか、大変でした」と、プロ３度目の先発でつかんだ初星に声を弾ませた。

　左手に握ったウイニングボールの贈り先は、決めている。幼少期から女手一つで育ててくれた母・貴恵子さんだ。「今までありがとうございます。これからもよろしく」。照れ笑いに感謝を込めた。

　三回まで無安打投球で滑り出し、五回には１死満塁を遊ゴロ併殺で切り抜けた。絶対に勝ちたい理由があった。キャンプから一緒に１軍を目指してきた松井裕が２軍降格。「昨日はかける言葉が見つからなくて。アイツの分も頑張ってやろうと思っていた」という。

　辛抱強く使い続けた星野監督も「この１勝でどう変わってくれるか、楽しみにしているよ」とたたえた。スーパールーキーの降格ショックを振り払って余りある白星になった。