中日ドラ2又吉にルナ、ゴメスお手上げ

 「中日春季キャンプ」(8日、北谷) 

 ドラフト2位ルーキー、又吉克樹投手(四国IL香川)が、今キャンプ2度目のフリー打撃に登板した。ルナとゴメスの両外国人に対して、計61球で安打性はわずか4本。変則の右サイドスローにルナは首をかしげ、ゴメスもお手上げ状態だった。

 マウンド上の又吉がなんとも頼もしく見えた。打席ではあのルナが困っている。右サイドから繰り出すスライダーに首をかしげ、ストレートにもまったく手が出ない。昨季打率3割5分をマークした安打製造機に、31球で安打性はわずか3本。右の外国人打者にも通用することを証明した。

 「独立リーグで(外国人選手と)対戦したことはあります。パワーがあるし、スイングも速い。自分に自信がないと(スタンドへ)持っていかれる。反応が分かりやすいから面白いですね」

 首脳陣には、又吉にルナを当てた明確な意図があった。

 森ヘッド「多少狙いはあるよ。(打席の後)ルナは『嫌だ』と言っていた。『アンダースローにしては(球質が)重い』とも。『バレンティンに投げさせるのか?』って聞いてきたよ」

 友利投手コーチ「良かったね。アイツはなぜ外国人に投げたのか分かっているかな? バレンティン、ブランコといった強力打者がいる。サイドからのスライダーはナンバーワン。あのミート力抜群のルナを抑えたんだから。当ててみるのも面白い」

 ルナは仮想バレンティンであり、ブランコだった。昨季、中日はバレンティンに打率3割7分7厘、本塁打10本を献上。ブランコには打率3割1分1厘、本塁打4本と痛い目に遭ってきた。この日の「主砲封じ」のテストは合格。それを聞いた又吉は声をはずませた。

 「サイドから(バレンティンを)抑えたらカッコイイ。ワンポイントでもチームにとって必要ならうれしいこと」

 ただ、先発の駒不足もあり、現段階で起用法については未定だ。森ヘッドは「頭でいくか、嫌なヤツに当てるか。今後考えていく」と話し、友利コーチも「まだ8日目だろ。ただ言えることは又吉、祖父江をとってくれたスカウトに感謝したいということ」と続けた。

 圧巻の投球はこれだけではない。又吉は左のゴメスに対して、30球で1安打だけ。本塁打を浴びたが、お返しとばかりにすぐにバットをへし折った。

 「ゴメスからは『バットを買ってくれ』と言われました。しっかり稼いで買ってあげます」

 今の又吉にはジョークを飛ばせるほどの充実感がある。シーズンでも、右サイドから繰り出すスライダーで主砲をバッタバッタと斬る勇姿が見られるかもしれない。そんな夢が膨らむ61球だった。

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