仙台育英・上林は最後まで力出し切れず
「全国高校野球・2回戦、常総学院4‐1仙台育英」(15日、甲子園)
仙台育英のドラフト上位候補、上林誠知外野手(3年)は本来の姿に戻らなかった。「終わった気も負けた気もしない。涙も出てこなかった」。あっけない幕切れを現実感なく振り返った。
5打数無安打だった浦和学院戦から5日。六回に今大会初安打となる中前打を放った。しかし、この日はツキもなかった。四回無死一、三塁の右飛は好返球で三走が本塁憤死。八回は鋭い当たりが投直に。佐々木順一朗監督(53)は「今まで彼が引っ張ってきた」とねぎらったが、責任感の強い主将は「大舞台で力が抜けなかった。自分のスイングが甲子園ではできなかった」と視線を落とした。
走攻守3拍子そろった逸材。センバツではワンバウンド打ちで話題をさらった。進路については「上の世界に挑戦できるチャンスがあれば、結果を残せる選手になりたい」とプロ志望を表明。前を向いて聖地を去った。