桐光・松井10連続含む22K!大会新連発

 「高校野球・1回戦、桐光学園7-0今治西」(9日、甲子園)

 “神奈川のドクターK”が甲子園の歴史を塗り替えた。試合が進むごとに歓声が大きくなる。桐光学園の2年生左腕、松井裕樹投手が大会記録を更新する毎回の22三振を奪い、今治西を2安打完封した。六回途中からは、こちらも大会新記録となる10連続奪三振もマーク。記録ずくめの快投だった。

 前人未到の偉業を成し遂げるマウンドで、松井は歌っていた。九回2死一塁。サインに首を振りながら、口元がせわしなく動く。「相手の応援を自分の応援だと思って、リズムをとっていました」。最後は115キロのカーブで空振り三振。1世紀近い聖地の歴史を動かす22個目のKマークを刻み込んだ。

 序盤から飛ばした。初回先頭から三回1死までのアウトはすべて三振。スカウトのスピードガンで最速146キロを記録した直球と落差の大きい“伝家の宝刀”スライダーのコンビネーションがさえ渡った。圧巻は六回1死一、三塁から。「ランナーが三塁だったので狙っていった」とギアを上げると、ここから九回2死までなんと10連続奪三振。スタンドのどよめきが増す中で全くペースは衰えず、最後は大きな拍手が銀傘にこだました。

 マウンドでは、強気で負けず嫌い。先輩捕手の宇川は「いつも元気。基本的には投げたいボールを投げさせる」と苦笑。3年時に全国優勝した中学時代は、変化球はカーブのみ。スライダーは、昨年6月からカウント球として使い始めたが「決め球にしたかった」と、改良を重ねて手に入れた。神奈川大会では、昨夏決勝で敗れた横浜に雪辱するなど、46回1/3で68奪三振。その実力を全国に証明した。

 打撃でも五回に右越えへ豪快な3ラン。高校通算3本目のアーチにほぼ全力疾走し「こんな大観衆の中で打てて幸せ。一生懸命速く走りました」と、この時ばかりは16歳らしい笑顔を見せた。

 2つの大記録を試合後に知らされ「わからなかった。ちょっとできすぎです」と、淡々と振り返った。歴史に残る快投を見せても、慢心はみじんもない。「今日はうれしいけど、次からはそれに恥じないようにプレッシャーもかかる」と気を引き締めた。目指す頂はまだまだ先と言わんばかり。末恐ろしい2年生左腕が、衝撃の聖地デビューから一気に夏の主役に躍り出る。

関連ニュース

これも読みたい

    あとで読みたい

    編集者のオススメ記事

    野球最新ニュース

    もっとみる

      あわせて読みたい

      スコア速報

      主要ニュース

      ランキング(野球)

      話題の写真ランキング

      写真

      デイリーおすすめアイテム

      リアルタイムランキング

      注目トピックス