ジャックドールは種牡馬として奮闘中 鮫川場長は高評価「手の掛からない優等生」産駒は雄大な馬体を継承
この夏に北海道新ひだか町にあるレックススタッドを取材し、そこである馬と再会を果たした。23年大阪杯を制したジャックドールだ。派手な栗毛の馬体を見て2年前の記憶がよみがえった。
24年夏、福島県いわき市にある競走馬リハビリテーションセンターを取材した。その時、センターに入所していたのがジャックドール。23年の天皇賞・秋(11着)後に右前浅屈腱炎を発症し、復帰を目指してリハビリに励んでいた。当時はウオータートレッドミルやトレッドミルなどを使用したトレーニングを行っている様子を取材したのだが、北海道で再会して懐かしい気持ちになった。
残念なことに、ジャックドールはその後に屈腱炎を再発して現役を引退。25年から種牡馬として新たな生活をスタートさせた。種付け試験はすんなりクリアしたが、1年目は種牡馬としての準備期間が短かったこともあって頭数制限を行うことに。ただ、2年目の今年は順調に種付けを行った。レックススタッドの鮫川純一場長は「手の掛からない優等生ですね」と種牡馬としてのジャックドールを評価する。場長はジャックドールの祖父スクリーンヒーローも管理した経験がある。「スクリーンヒーローもここにいました。最初の頃は分からないですけど、私の知るところでは少し怖がりなところがあって、牡の部分はそこまで強くなかったです。そういう意味でジャックはいいですね」とうなずく。
産駒について聞いてみると「馬体のいい子が多いですね。種馬が強く出るタイプのようで、父に似た子が多いです」と説明してくれた。ジャックドールは500キロを超える雄大な馬体をしていたが、産駒も大きい馬が多い。「『今年も来たよ』と言って2年続けて種付けをしに来る方もいましたよ」。牧場での評判も上々のようだ。
ジャックドールはモーリス産駒で、さかのぼるとスクリーンヒーロー、グラスワンダーにつながる。日本でG1を勝った血統の流れ。ジャックドールにもG1を勝つ産駒を出して欲しいと思った。
2年前の夏、福島でジャックドールとともにリハビリに励んでいた馬が他にもいた。それは今年の中京記念で2年10カ月ぶりに復帰を果たしたファントムシーフ。ジャックドールと同じで屈腱炎を患っていた。残念なことに、その復帰戦後に再発し引退。種牡馬になることが決まったが、そのニュースを聞いて改めて屈腱炎という病気の難しさを認識した。
そのなかで同じ屈腱炎で同時期にリハビリをし、現在も現役で頑張っている馬もいる。それは今年の巴賞で5着に好走したキョウエイブリッサだ。今は休養中だが、管理する武市師の「今のところ脚元に問題はないです」という言葉にホッとした気持ちになった。
この3頭は記者が競走馬リハビリテーションセンターを取材時に、たまたま入所していたというだけの馬。ただ、リハビリに励む姿を見てきただけに、勝手に親近感を抱いて応援していた。この3頭は今後それぞれの道を歩むことになる。それでも記者は応援したいと思っている。(デイリースポーツ・小林正明)
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