【ＰＯＧ】ホープフルＳ１週前リポート（栗東発）

　競馬新聞「馬サブロー」が誇るＰＯＧマスター、塩手智彦（栗東）と木村拓人（美浦）がお送りするＰＯＧ情報。東西のトレセンでつかんだ情報をお伝えします。

　１４日の阪神ＪＦは２番人気のスターアニス（牝、高野）が初めてのマイル戦を克服し、中団から抜け出してＶ。２歳女王に輝いた。レースを振り返って、師は「マイルでも上手に運んでくれました。ゲートの出が良く、流れが速いなかでも前半はハミを取っていましたが、デビューからずっと騎乗している松山Ｊがこの馬のことをよく分かってくれていて、思っていた位置へうまく導いてくれました。一戦ごとに強くなっていますね」と笑顔で話してくれました。レース後は放牧へ。今後は未定。

　今回はホープフルＳ（２７日・中山、芝２０００ｍ）を予定する有力馬２頭の１週前の様子をお伝えしたい。まずは新馬-京都２歳Ｓを連勝中のジャスティンビスタ（牡、吉岡）から。父サートゥルナーリアは吉岡師が調教師になる前に角居厩舎で担当をしていた馬。師は「（勝った１８年の）ホープフルＳまで担当をさせていただきました。思い出深いですね」と当時を振り返る。父と似ているところをうかがうと「馬の感じは似ています。体形や柔らかみのある筋肉の質は特にそう感じます」とポテンシャルの高さを感じ取っている様子。現時点での感触については「順調です。体力的にもメンタルにしても、この時期の２歳馬にしては完成度が高いですね。前走を使って、もうひとつコンディションは上がっていると思います」とさらなる成長を示唆。初の長距離輸送については「やってみないと分かりませんが、来春を考えて中山の芝２０００ｍ、輸送は経験をさせたいと思っています」とコメントした。

　プーシャンＪで挑むノチェセラーダ（牡、杉山佳）も未勝利-黄菊賞を連勝中。師は「１週前追い切りはラストを伸ばして先着するイメージで。思っていた走りができました」と納得の様子。「降雨後の馬場でしたが、しまいはいい伸び。しっかり負荷をかけられました。馬体の左右のバランスも良く、使いながら良くなっています」と一戦ごとの成長ぶりに目を細める。「まだ緩さは残っていますが、持久力があって長くいい脚を使えるタイプ。今週のひと追いでもう一段階良くなると思います」と感触は上々。厩舎のＧⅠ初制覇を目指す。（馬サブロー栗東支局・塩手）