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【尾形充弘元調教師のザ・戦評】持ち味出し切ったナミュール

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 「マイルCS・G1」(19日、京都)

 唯一の牝馬ナミュールが待望のG1初制覇を成し遂げた。当初、騎乗予定だったムーアがこの日の京都2Rで落馬負傷。急きょ、藤岡康太騎手(35)=栗東・フリー=が手綱を取り殊勲星を挙げた。このレースを元JRA調教師の尾形充弘氏(76)が振り返った。

  ◇  ◇

 レースは前半5Fが58秒2。馬場状態を踏まえると、平均よりは少し速いペースでした。勝ったのはムーア騎手から急きょ藤岡康君に乗り代わったナミュール。レースは大外枠ということもあって、いつもより後ろからの競馬となったが、結果としてこれが正解でしたね。最終的にこの馬の末脚が生きる形となり、持ち味を出し切ることができました。

 2着のソウルラッシュは、最内枠からロスのない立ち回りで、最後までしっかり伸びました。今回はナミュールの切れに屈しましたが、力は出し切りました。3着ジャスティンカフェもマイル戦でいい走りができました。

 1番人気のシュネルマイスターは7着。パドックでは落ち着いていたし、返し馬も良かったです。ただ、ゲートの中に入ったとたんに、冷静さを失った感じです。スタートしてからも後ろの位置取りはいつものことですが、進みが悪く、勝負どころの反応もひと息と、今まで見たことのないような動きでした。何か気持ちの問題があったように思います。

 安田記念以来の出走となったセリフォスは8着。久々でも馬体は良く見えただけに、レース間隔が開いたことでの何らかの影響があったのかもしれません。(元JRA調教師)

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