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壱岐な魅力 心温まる人のつながり 歴史ある離島が過疎問題で移住受け入れ

 システムエンジニアから海女に転身した藤本彩子さん=壱岐市
 壱岐の海を潜る海女。レオタードを着る人が多い
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 長崎県壱岐(いき)市は中国の歴史書「魏志倭人伝」にその名が登場する。同書では「一支国」として描かれ、魏の使者は朝鮮半島から対馬、一支国を通って倭の女王がいる邪馬台国を目指したという。はるか昔、弥生時代のことだ。歴史ある古い島だが、過疎の問題を抱え移住者を迎えている。昨年はUターンとIターン計10世帯15人が移り住んだ。壱岐の魅力を探して歩いた。

 ◇   ◇

 海女になることを決意して壱岐に移住した女性に出会った。横浜市出身の藤本彩子さん(32)は東京都内でシステムエンジニアとして8年間働いていたが海女になることを決断。2016年2月、横浜から引っ越した。

 元々、離島への憧れを抱いていたある日、テレビ番組で海女の映像を見たことで心が動いた。抱えていた仕事もちょうど一段落したこともあり、「海女になる!」と決めた。

 当初は母の出身地である千葉を考えたが、壱岐が移住者を求めていることを知り、実際に訪れて海女を体験。心を決めた。現在は修業中の身で先生は70代。3年間教わり、その後は独り立ちしなければならない。

 遠い土地、慣れない仕事に就くことを家族は反対したが説得。交際していた男性(33)も一緒に来るように説得し、2人で壱岐に移った。彼はサービス業に従事していたが、今は漁師の修業をしているという。

 移住して困ったことは「言葉ですね」と藤本さん。「今でもちゃんと聞き取れない。外国語みたい」と笑った。

 収入はSE時代に比べて半分以下になった。けれども藤本さんは「ぜいたくをしなくなったから困らないです。東京で働いている時はかわいい洋服を買ったり、お化粧品を買ったり。今はそういう出費はないです」と消費し続ける生活から脱却した。しかも野菜などの食料を近所の人が時々分けてくれ、それが大いに助かっている。

 埼玉県熊谷市から移住した福田綺乃さん(23)は、いるかのトレーナーになることが目標だった。壱岐にある「イルカパーク」を目指してやって来たものの、現在は麦焼酎を製造販売する「壱岐の蔵酒造株式会社」で正社員として勤務する。近所の人から食べ物のお裾分けがあるのか聞いてみると「たまにいただけます」との返答だった。

 壱岐の魅力の一つは地元の人とのつながりにあるようだ。

 ◆壱岐市アラカルト 2015年、対馬や五島とともに「日本遺産」第1号に認定。昨年のUターンは3世帯6人、Iターンは7世帯9人。移住ワンストップ窓口は「壱岐市地域振興推進課」(TEL0920・48・1137)。ホームページアドレスはhttps://ikishimagurashi.jp/

 ◆旅館網元 料理はどれも絶品。ここで刺し身を食べるとほかでは食べたくなくなるかも。壱岐市石田町印通寺浦176の21。TEL0920・44・5887

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