虎党必見!昭和の聖地 甲子園スコアボード職人がメニューなど手書き~兵庫・西宮

 レトロ感漂う「串参拾六」。右端が中野正治さん、隣が野中晃子さん、奧が大澤恭子さん
 甲子園球場のスコアボードを書いた職人手書きの店名プレート
 「御品書」の文字もスコアボードっぽくて懐かしい
3枚

 昭和レトロな空間で時間を忘れそう。野中晃子さん(55)が、パートナーの中野正治さん(55)と営む兵庫県西宮市の「串参拾六(くしさんじゅうろく)」。サクサクの串カツと、特製苦草醤(コチュジャン)味噌タレが絶妙のチゲ鍋が自慢だ。阪神電鉄西宮駅からほど近く、甲子園球場のお膝元でもある。店内にある店名プレートと「お品書き」を書いたのは同球場のスコアボードが手書きで書かれた時代の職人によるもの。阪神ファンにはたまらない隠れ家です。

 ◇    ◇

 晃子さん、正治さん共にウン十年来の阪神ファン。西宮で生まれ育った正治さんは小中学校時代、市の運動会が甲子園球場で行われたそうで「そら、ファンになるわなぁ」と当然と言わんばかり。晃子さんは尼崎市出身で子どもの頃から虎党だった。「今は禁止になってる紙吹雪を、試合に行く日は朝から広告の紙を小さく切って作っていましたね」

 「串参拾六」は阪神・淡路大震災が発生した翌年の1996年にオープン。大通りから少し奥に入った場所にあり、初めてだと分かりにくい。まさに“隠れ家”を見つけた気分だ。

 店に行ったら店内にかかる店名プレート、お品書きにぜひ注目を。甲子園球場のスコアボードは現在は電光掲示板だが、1983年までは職人による手書きだった。その職人だった人が書いたもので、味わいのある書体に懐かしさがこみ上げる。

 晃子さんは「当時すでに引退されて70代ぐらいの男性でしたが、筆を持つとシャンとされましたね。とても楽しそうに書いてくれました」と振り返った。

 同店の串はソースとポン酢しょうゆの2種類でいただく。いずれも店のオリジナル。ソースは薄めで、正治さんは「日本で串が出回った大正時代はしょうゆに近い感じのタレやったんですね」と話した。豚、イカ、牛など1串100円、じゃがいも、タマネギ同50円。1串30円からあり、30円のものから130円だと20串でも1500円。

 人気のチゲ鍋は、正治さんが開発した「万能たれ」が決め手。コチュジャン、赤唐辛子、香味野菜、ごまなどをブレンドし、ニンニクは使っていない。豚肉と野菜、豆腐、卵が入った豆腐チゲ(800円)はビビンバの石焼鍋でアツアツを。1人前から注文できる。

 週に2回は来ているという大澤恭子さんは「肩ひじはらずにおいしいものが食べられます」とわが家のようにくつろぐ。晃子さんは「常連さんが多いですが、初めての方もぜひどうぞ。タイガースが優勝したら大サービスしますよ」。開幕目前で気合をにじませた。

 ◆「串参拾六」 西宮市戸田町6の17 林ビル1階 阪神西宮駅から徒歩3分。TEL0798・34・9436。営業18~24時。日曜休。「万能たれ」は同店やネットで購入できる。500ミリリットル入り1000円。文中価格は税別。フリーマーケットで入手したという“金鳥”“ハイアース”など昭和の広告看板がフィットする。

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