絶品の小皿料理は“おふくろの味”~天満
新企画「女将 DE ごはん」はその名の通り、女将(おかみ)が切り盛りするごはん屋さんを紹介します。第1回は大阪・天満にある大人のちょい飲み居酒屋「吉田スヰッチ」。オーナーの政岡祥子さん(55)が生み出す小皿料理の数々は“おふくろの味”のあたたかさと、プロフェッショナルなうまさが絶妙のハーモニー。おひとりさまも、ぜひどうぞ。
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カウンター席だけ、小さなバーのようなお店だ。政岡さんは「お酒を飲むのが大好きで、家でちょこちょこ作っていたアテがメニューのヒントになっています」と話す。政岡さんの人柄なのか店の雰囲気も気さく。カメラを構えると男性客が「桂文枝と違ってやましいことないから写真、かまへんで!」と言ってくれた。
さわらのみそ漬け(550円)、手作りいわしのへしこ(ぬか漬け=550円)、カキご飯の焼きおにぎり(300円)など自家製の品がズラリ。冬にはおでんが加わるなど季節ならではのひと皿も。メニューは多彩だ。
「思いつきやひらめきで作るのも多いですよ。計画性がなくて」と控えめだが、カレーは3日間かけて煮込むなど手間も時間も惜しまない。お酒の種類も豊富。テキーラにビールを注ぐ「テキーラビール」(700円)や、日本で最も辛口といわれる山形の純米爆雷辛口「山法師」(日本酒度+28=550円)など「ガツンと酔える」つわものが。
オープンは2013年9月19日。10年に夫を心筋梗塞で突然亡くし、自身も異型狭心症の持病を持ち生死の境をさまよったことがある。「一寸先は闇。人生何が起こるかわからない。やりたいことをやろう」とバイオリンを習う、パリに自転車旅行…など“やりたいことリスト”を作ったところ、最後の一つが「自分の店を持つこと」だった。
起業セミナーで勉強はしたものの、「店を開いたのはほとんど勢い」と言う。「もし失敗しても、ベンツを買って事故でつぶしたと考えればいいやってと思うことにした。でも、店舗や仕入れのことなど、未経験のおばさんにいろんな人が力を貸してくれて。うれしい誤算でした」と振り返る。
ゆるやかな人柄が魅力的な政岡さん。ギョーザを注文したサラリーマンに「ちょっと焼き過ぎて焦げちゃったから10円まけとくわ」と笑わせていた。店名は「ここで気持ちのスイッチを切り替えてほしい」との思いから。『吉田』は旧姓。カウンターに座ったら嫌なことはスイッチ・オフ。おいしいお酒と料理が、幸せ気分をオンにしてくれるはず。
▼吉田スヰッチ 大阪市北区天神橋5の3の7 JR天満駅、地下鉄天神橋筋六丁目駅12番出口から徒歩5分。TEL06・4792・8893。営業17時頃~23時頃。水曜定休。チャージ300円。店内禁煙。
