禁煙バーは“禁断のバー”~大阪・天満

 「ママ」と親しまれるオーナーの村田さん
 今宵の一杯ハイボール
2枚

 喫煙者は扉を開けることすら出来ない。大阪・天満のバー「天井桟敷」は完全禁煙だ。お酒はウイスキーのみ。オーナーの村田ひろ子さん(49)は客から“ママ”と親しまれつつも、ルール破りには容赦なく説教&退場命令を出す。「常連さんからは“SMバー”って呼ばれます(笑)」。ここで楽しめたら立派なウイスキー通か、それともM男君?

 ◇   ◇

 村田さんの禁煙への取り組みは徹底している。店内はもちろん、ちょっと外で一服して戻るのもNGだ。オープン当初(2014年2月)は外での喫煙はOKにしていたが「匂いが消えないんですね。たばこアレルギーの人にもおいしく飲んでもらいたいと思えば当然のことです」。

 アレルギーでなくてもウイスキーには香りを嗅ぐノージングという楽しみもある。余計な匂いは邪魔なだけ。香水のきつい人もお引き取り願うという。

 ウイスキーオンリーなのは「カクテルに興味がないので」と明快なお答え。中学生の頃、応接室のサイドボードに飾ってあった海外みやげのバーボンをこっそり開けて飲んだのがお酒との出会い。そのとき「おいしい」と思ったというから、バー経営はまさに天職と言えそうだ。

 とはいえ本職は結婚27年目の主婦。サラリーマンの夫、長男(27)、長女(23)の4人家族だ。「子どもの手も離れたので自分が活(い)きる店をやろうと思って」。夫からは「あなたの責任でやるならいいよ」と特に驚くこともなかったという。

 6席、3・5坪のスペースは元は倉庫だった。内装を“昭和の喫茶店風”に仕上げ、店名は歌人で劇作家の故寺山修司が主宰した「演劇実験室天井桟敷」から拝借した。

 完全禁煙を歓迎するウイスキーファンは多く、遠方から訪れる人もいる一方、慣れてくるとついたばこをとりだす人も。「実はポリシーを貫くのは大変なんですが、誰であろうとルールを破れば帰っていただきます」。

 大声で騒いだり絡んだり、マナーの悪い人もシャットアウト。その辺りのあんばいを知る常連客は「そろそろママのショー(説教)が始まる」とニヤニヤするのだとか。ああ、それでSMバーなのか。「常連さん自体プチM男、マザコンですから。禁断のバーって書いてくださいよ(笑)」

 こんな村田さんだが、初めての客には自身からは話しかけないと決めている。「一人静かに飲みたい人にはバーテンダーとの会話がストレスになる」からだ。気配りにもポリシーがあるのだなぁ。

 ◆「ウイスキーバー 天井桟敷」 大阪市北区天神橋5の2の15。JR天満駅から5分。電話番号非公開。営業19~22時半。日祝定休。チャージなし。

旅最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス