愛いっぱいのオアシスバー~大阪・天六

 ジントニックを作る辛山順子さん
 ジントニックタンカレー45ミリリットル、ウイルキンソントニックウォーター1本、ライム。800円※ギルビーズジンの場合は650円
2枚

 大阪・天六にある「オアシスバー Shin」は名前の通り、都会のオアシスのようにたたずむ。オーナー・バーテンダーの辛山(からやま)順子さん(44)が“女の夢”を実現させた愛がいっぱいの空間です。

 ◇   ◇ 

 店名の「Shin(しん)」は辛山の「辛」を音読みにしたもの。「名前の文字を使いたかったんです。『順子』だとスナックみたいなので(笑)」

 オープンは2011年4月1日。予定では3月だった。しかし、11日に東日本大震災が起きる。「こんな時期にバーを開いていいのだろうか。お客さんは来てくれるのだろうか」という不安の中でのスタートだったが、一般事務のOLを17年勤め「このまま何もせず人生を終わりたくない」との思いで決意しただけに、前に進むしかなかった。

 両親は大反対。自分の足で探し、ようやく気に入った物件を見つけ契約を報告すると父・基一さん(81)は「すぐ破棄してきなさい」と激怒。順子さんはここで引き下がったら絶対後悔すると思い「何があってもすべて自分で責任を取ります」と説得した。

車で送り迎え

 そんな基一さんだが、開業準備を手伝ってくれるなど何かと協力してくれた。「気持ちが伝わったのか、諦めたのか。どっちなんでしょうね(笑)。聞いたことないですが」。オープン後しばらくして、順子さんが店内でつまずいて左足の小指を骨折。ギプスをしながら店は開け、基一さんが1カ月間、車で送り迎えをしてくれた。「毎日夜中の2時に来てくれて。さすがにありがたい気持ちでいっぱいになりました」

 店内はシンプルでジャズが静かに流れる。「特徴はあまりないかも。お酒も最初は4~5本から。お客さんの好みを聞きながら少しずつ増やしていきました」

 好評だというジントニックはタンカレーとギルビーズジンの2種類がある。常連さんも多く、ある単身赴任のサラリーマンは「東京(本社)へ戻る前に最後にここで飲みたかった」と言ってくれた。「OLを続けていたら出会えていないさまざまな職業の方が来られますが、会社勤めの悩みや不満がわかるのはOL経験があったからこそですね」

 オアシスでの出会いが人生に豊かな水を注いでくれた。

 ◆オアシスバー Shin 大阪市北区池田町17の6プレステル天満1階 地下鉄天神橋筋六丁目駅1番出口から3分。TEL06・6354・7009。営業19時~翌2時。日祝定休。

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