北陸の魅力満載 観光列車「花嫁のれん」
3月の北陸新幹線延伸開業から約半年、乗客数が在来線特急だった前年同期比3倍と勢いに乗るJR西日本が、今秋の「北陸デスティネーションキャンペーン」に合わせ、2つの観光列車を北陸で運行開始した。その名も「花嫁のれん」と「ベル・モンターニュ・エ・メール」。中でも「花嫁のれん」は“豪華すぎる”と早くもネット上で話題をさらっている。新幹線効果の定着と、さらなる拡大への“けん引車”となれるのか、確かめに向かった。
【花嫁のれん】
薄暗い夕方の金沢駅での対面となったが、きらびやかな外観に、一目ぼれだった。
輪島塗のような赤と黒を基調とした車体には、加賀友禅の柄のような花や蝶がこれでもかと、ちりばめられている。花嫁のれんとは、旧加賀藩の地域で幕末から明治にかけて始まった、婚礼の際に娘の幸せを祈って色鮮やかな特別なのれんを持たせる風習だ。決して名前負けしていないデザインに期待を膨らませ、車内に入った。
温かみのある木の格子で仕切られた8つの半個室タイプの座席がある1号車。個室はそれぞれ「菊の間」「青の間」などと名付けられ、通路には日本庭園の飛び石をイメージさせる柄のじゅうたんが。まるで温泉旅館のような雰囲気に浸りながら見上げると、壁には金沢金箔まで貼られている。
大型スクリーンと、伝統芸能の披露や試食販売などが行われるイベントスペースが設置された2号車は、格子の仕切りもなく開放感のある内装に。興奮して写真を撮りまくっていると、ピンクの和服姿の女性と目が合う。豪華絢爛(けんらん)なだけでは終わらないのが、この列車の凄いところだ。
「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で35年連続日本一に輝く老舗旅館「加賀屋」。花嫁のれんは、その加賀屋の客室係と、同旅館で研修を受けたJRグループ社員がアテンドを務める。さらに車内では、加賀屋総料理長監修の「和軽食セット」(2500円)や、地元の珍味や能登の酒造メーカーの吟醸酒をセットにした「ほろよいセット」(2000円)などが提供される。
「和と美のおもてなし」-。テーマ通り、加賀百万石の世界を見事に演出した花嫁のれん。残念ながら日程の都合で、今回は実際に乗車できず…。乗客の幸せな時間を祈りながら、送り出した。
◆「花嫁のれん」 金沢-和倉温泉駅間を運行するJR西日本とIRいしかわ鉄道の特急観光列車。10月から実施されている北陸デスティネーションキャンペーンに合わせ、同月3日から運行を開始。キハ48形を改造した2両編成で、1日2往復。全席指定の定員52席(1号車24席、2号車28席)で、運行は基本的に土日、祝日。
【べるもんた】
北陸新幹線と接続する新高岡駅を起点に城瑞・氷見線で運行するのが「ベル・モンターニュ・エ・メール」(愛称「べるもんた」)だ。
フランス語で「美しい山と海」という意味で、コンセプトは「走るギャラリー」。深緑色を基調に金色があしらわれた車体は、ヨーロッパのレトロな雰囲気。額縁に見立てた車窓を、国名勝・有磯海や、海越しに立山連峰の絶景が流れていく。
城瑞線から氷見線に移る高岡駅構内でのスイッチバックも乗車しながら堪能できる。
また、車内では富山湾の海の幸を使った鮨5貫と氷見はとむぎ茶がつく「ぷち 富山湾鮨セット」(要予約、2000円)などを味わえる。
◆「ベル・モンターニュ・エ・メール」 新高岡(城瑞線)-氷見駅間(氷見線)を直通運転するJR西日本の観光列車。キハ40形を改造した1両編成で10月10日に運行開始。定員39人の全席指定で、土曜は氷見線、日曜は城瑞線を中心に走る。
