情熱溢れる感性ガツン料理~兵庫・西宮
関西屈指のイケメンシェフ、荻堂桂輔さん(39)が兵庫県西宮市でリストランテ「アルテシンポジオ」を営んでいる。甘いマスクの裏に秘める料理への情熱は“頑固おやじ級”だ。「お客さまに楽しんでもらえる、感性豊かなメニューとプラスアルファな空間を提供したい」と日々アイデアを模索する。
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手軽な欧風バルが増える中、「アルテシンポジオ」は本格派リストランテとして人気を集めている。
荻堂さんは1998~99年、イタリア・ミラノの2つ星リストランテ「サドレル」と「アイモエナディエ」で修業した。「サドレルでは料理の技術や発想力、アイモエナディエでは食材の目利き、選び方を学びました。イタリア人は素晴らしい感性を持っていて楽しく仕事をする。オリジナリティーの大切さも勉強になりました」
2003年、独立して「アルテシンポジオ」をオープン。若いオーナーシェフへの注目度は高く雑誌などの取材が相次ぎ順調な滑り出しだった。
しかし、相次いで起こった社会的事象で暗転していく。08年のリーマンショック。10年に宮崎県で起こった口蹄(こうてい)疫。散発的に発生した鳥インフルエンザ。11年の東日本大震災を受けて広がった自粛ムード。荻堂さん自身も「あの映像を見たときは何かが終わったような気がしました」と振り返った。
13年に迎えた開店10周年。これを機に荻堂さんは「一からやり直せばいいんだ」と気持ちを切り替えた。今は、「来ていただくお客さまにとって唯一無二のお店になりたい」との思いが募る。
例えば「野菜とオリーブ油オイルで楽しむ前菜」は遊びゴコロにあふれている。注文すると絵の具のようなチューブと、絵筆のようなハケ、パレット型の皿が運ばれてきた。これは何?
荻堂さんが「絵を描くように好きな色で召し上がってもらうんです」とヒントをくれた。でも、絵の具で?どうやって?聞いてみると、絵の具と思ったものは食材をオリーブオイルで練りこんだオリジナルドレッシング。黒はイカ墨、緑はブロッコリー、赤はビーツ、イエローは黄にんじんが材料だ。絞り出し味見するとしっかり素材の味がした。
荻堂さんは「料理は一瞬で消えるものだからこそ記憶に残るものを作りたい。感性の鋭いお客さんに受け止めてもらえた時は面白くなってきます」。逆に、鈍っていた感性がガツンとよみがえるような、鮮やかな技でした。
◆「アルテシンポジオ」 兵庫県西宮市寿町5の16 阪急神戸線夙川駅から徒歩2分。TEL0798・22・1886。営業時間11時半~14時オーダーストップ。18時~21時オーダーストップ。火曜定休。不定期連休あり。スープ、選べるアラカルト3皿、デザートがついた「トレ ピアッティ」4800円。シェフおまかせコースは6500円から。
