おもんない芸人を減らす?
【12月22日】
お笑いの賞レースが苦手になってきた。昔はただ無心で笑っていたのだけど、年々どうも審査員の感性と自分のそれのズレが大きいことが…。レジェンドがつける評価は「絶対」なのか。
いや、別に自分の笑いの感性が全てなどと偉そうなことは…。でも審査員が大ウケするタイミングでピクリともしない自分がいると、なんや、俺おかしいのかな…。そもそも感性なんて種々様々で笑いのツボに「絶対」はないのだから、おかしくもないか…。なんてブツクサ言いながら年イチの楽しみを観るのもまたしんどい。トシを重ねて何に触れても過敏になってきたきらいはある。そんな中でTHE WやM-1…賞レースをどう楽しもうか。
現役時代は好きだったのに評論家としてはちょっと…。プロ野球でもそんな人がいるようにお笑い界にもいる。
「おもんない芸人を減らしたい」
例の粗品の言い分はXで51分間の動画をすべて見たけれど、めちゃめちゃ分かる。が、笑い飯哲夫のセンスはずっと好き。どっちにしろ評論家ってものはどの世界でも摩擦を生むんです。
そんな話を書きながら師走を感じるきょうこの頃だけど、さて、阪神はV旅行ご一行がハワイから帰ってきた。
おかえり。お遊びはここまで…なんて書くおっさんは鬱陶しがられる。
球界とお笑い界、それぞれ評論家の定義が違うのは、お笑いのそれはずっと現役のまま評論=審査員の仕事もするということ。プロ野球で現役が解説するのは球宴とかプレーオフ限定だから現役のまま評論する人は…
そういえば身近にいた。シーズン中にサンテレビで解説した経験もある。その彼が若手をどう見ているのか。先の新入団で藤川球児が「2月に石井大智と対戦してもらう」と期待を寄せた山崎照英について聞いてみた。
「まじめ。すごく練習する子」
関西独立リーグ兵庫で山崎とトシの離れた同僚だった久保康友は言った。
「選手の理想はホームランを打てて走れて肩が強いことですけど、現実はそんなに甘くはないですから。上には上がいますから」
まずは快足の「一芸」でプロの夢を掴んだ山崎へ、粗品ばりに「おもんない芸は要らん」とは言わないけれど、歯の浮くような激励もない。新人王を獲って長年NPBでメシを食った久保だから後輩にリアルを伝える。
「やることが決まっているほうがプレッシャーはありますけど、ぜひ頑張ってほしいです」
山崎がベンチから期待されることって何?沖縄の紅白戦で石井大智の球をスタンドインすること?
指揮官は山崎を「僕が欲しかった選手です」とまで言った。じゃ、彼の何を欲しかったのか。久保は言う。
「プロ野球ではまぐれはダメです。プロはもちろん捕手の肩もいい。もっと良いスタートを切らないといけないと自分で追い込んだら良くない方向へいくので、そことの戦い」
そんな審査は本質を突いて気持ちがいい。自分を知ること。それができるかできないか。=敬称略=
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