貰ってください、石

 【2月21日】

 那覇の巨人キャンプにお邪魔して恩納村へ帰ってくると、道中おもしろい看板を見つけた。

 貰ってください 石-。

 金(きん)ならいただくけど…

 なんてアホなことを考えながら、石といえば…ふと思い出した。

 前クール最終日(20日)の練習試合でKBOのサムスンと対戦した阪神だけど、残念ながら、韓国のレジェンドは宜野座へ来なかった。

 阪神キャンプが休日だったこの日は朝から日本ハム、サムスン、巨人のキャンプ地をレンタカーで巡った。サムスンのキャンプ地は、阪神のチーム宿舎から程近い恩納村の赤間総合運動公園。お目当ての呉昇桓(オ・スンファン)は元気そうだった。ノックでは投手陣のリーダーとして若手が活気づく声を掛け、ハッスルしていた。

 「石直球」が懐かしい。スマホでスンファンの阪神時代を検索しながら、ハンパない軌道が恋しくもなった。

 そういえば、どうなんだろう。

 あの「石」をもう一度タイガースに〈貰う〉ことはできなくとも、僕が知らないだけで、強さや軌道がそれとかぶる投手がいるかもしれない。キャンプでそれを確かめるために的確な答えをくれるのはブルペン捕手。もちろんクローザー時代のスンファンを受けたことのある人に聞かなくては…。

 現在その職を担い、かつスンファンの軌道を知る男、小宮山慎二に確かめてみた。あえていえば、「石直球」に近いまっすぐを投げるのは?

 「それこそゲラのボールを捕ったらちょっとかぶるというか…。スンファンより少し上背がありますけど、外国人っぽくないというんですかね。上からの角度じゃないので、イメージとしてはそうかもしれません」

 パナマ出身の新外国人、ハビー・ゲラである。小宮山はゲラの球を宜野座のブルペンで受けながら、イメージをはかっていた。

 「上からたたくタイプのピッチャーが多い中で、沈みながら投げるタイプは少ないような気がしますけど、スンファンのまっすぐは低いところから出てホップする感じだったでしょ。投げ方は違いますけど、僕が受けたイメージとしては、ゲラもそんな感じがあります。試合で投げるところを見てみたいですけどね…」

 スンファンはまっすぐで空振りが取れるクローザーだった。投手王国を築く岡田彰布は、ゲラのポジションについて「勝ちパターンっていうか、後ろのほうで投げられる」と語るが、果たして適性はどこで落ち着くのか。

 キャンプ最後の休日は、キャッチボールで汗を流したゲラである。沖縄でゴルフは一度も…というか、もともと好んでクラブを握らないそうだ。この日は肩慣らしの後、ビーチを散歩して部屋に戻った新助っ人だけど、取材の限り、きょうキャンプ2度目の打撃投手登板に臨む。

 ゲラがホップ系のリリーバーならそれはまた頼もしいし、そんな「石」ならなんぼでも貰いたい。=敬称略=

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