ゴルフよりお疲れ生!

 【11月16日】

 シェルドン・ノイジーはゴルフがあまり好きではない。苦手だそうだ。彼とラウンドしたことはないし、実際にクラブを握る姿も見たことがない。でも、これは信頼できる筋からの情報である。

 ゴルフは下手だけど、タイガースの仲間とともにゴルフ場に滞在することは嫌いではないらしい。プレー以外の楽しみ方を知っているとでもいおうか…。

 今春2月の沖縄キャンプ中も、休日に西勇輝や他の外国人勢と一緒にゴルフ場へ向かうノイジーの姿があった。球界のゴルフ好きは万国共通だから、新助っ人もリゾート地のラウンドを楽しんだのでは?そう思って、チームの関係者を取材すれば、ノイジーがエンジョイしたのは、プレーではなく、もっぱらビールだったそうだ。

 いやぁ、分かる。

 僕もゴルフが得意ではないが、ゴルフ場は嫌いではない。ラウンド後の「お疲れ生です」は、それはもう、たまらない一時(ひととき)だから。

 ノイジーも雰囲気に酔うのだろう。ゴルフが嫌いなら「断る」ことだってできそうだけど、付き合う。ええやつやん…。って、他愛もない話を書いているが、来季もそんな彼の「ゴルフよりビール」ネタを書けることになりそうだ。

 ノイジーが来シーズンも阪神でプレーすることが決まった。監督の岡田彰布が「残留」を公言したのだから、もう間違いない。

 彼は日本という国を好きになったのか。最初はなかなか慣れず、そうでもなかったというが、どうやら「ファミリーがニッポンを好きになった」のだとか。

 USJや東京ディズニーランドへ、家族とともに出かけたり…シーズンの終盤は、どこの遠征も家族同伴だったという。

 ダディ、もう少し、ここで暮らそうよ-なんて、身内の後押しがあったとしたら嬉しい限りだ。

 彼とテーブルを囲んだり、プライベートな時間を過ごしたことがないので人となりは分からない。でも、球場であいさつする仕草や立ち居振る舞い、取材対応を見れば、日本人、そして、日本野球への敬意がうかがえる。個人的にはタイガース歴代でも好きな助っ人の一人である。

 なんてったって、38年ぶり日本一のウィニングボールを掴んだ栄えあるプレーヤーだ。85年の日本一は、最終回にリチャード・ゲイルがピッチャーゴロをさばいた…そのシーンが今も映像で流れる。ノイジーが左中間の飛球を捕って近本を気遣うという、あまり様にならない(?)ラストシーンも、これから先、何度でも再生されるに違いない。

 日本シリーズの翌日、彼が帰国する際に聞いてみたかったことがある。ニッポンで「最高」「一級品」だと認める投手の名前を…。

 やはり、山本由伸だろうか?

 「そういうところは、あまり認めないです。『あいつはすごい』とかも言わなかったですしね」

 これも信頼できる筋からの情報だけど、その矜持、買える!=敬称略=

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