阪神に教えたいこと?

 【11月15日】

 失礼な記事である。目にすれば間違いなく歯ぎしりする。だからこんなの読まん…と一旦コンビニを離れたのだけど、やっぱり気になって買ってしまった。今週11月18日号の「週刊文春」である。

 休刊日の朝、近所のセブン-イレブンで新聞を買ったついでに雑誌をパラパラ。すると…

 阪神に教えたい「ヤクルトが定期的に優勝する理由」-。

 なんちゅう見出しや。でも、編集者としてはさすが…だって買ってしまう者がいるのだから。

 真中満、宮本慎也らヤクルトOB、それに匿名の番記者も加わり2年連続最下位から優勝を遂げたスワローズのストロングを綴る。環境も、育成も、助っ人も…要はこんな良いとこ阪神にはないでしょ?という仕立てである。

 敗者に密着したオッサン記者としては、そ、そうですか…と拝見するしかないわけだけど、気になったのは燕番記者の弁である。

 「(ヤクルトは)負けが込んでもファンからきついヤジが飛ぶこともほぼありません。面倒な派閥や上下関係もないので、首脳陣を含めてチーム仲がよく、伝統的に明るく前向きな選手が多い」

 つまり、阪神は負けが込めば、どぎついヤジが飛び交う。面倒な派閥や上下関係があって、チーム仲はぎくしゃくし、伝統的に陰気でネガティブなキャラが多い。だから、何年も優勝できない-原稿のコンセプトでいえば、そう読める。確かに…派閥はある。でも、ヤクルトにもあるでしょ。ヤジ?スワローズが弱い時代は、神宮でもけっこう飛んでまっせ。

 とくに首脳陣を含めて…のくだりは、優勝チームってそう映るものやん?と、難癖をつけてみる。

 この記事のくだりで宮本慎也はこう語っている。

 「村上(宗隆)は僕のこと嫌いだと思いますよ(笑)」

 この物言いは、よく分かる。なぜって、宮本がヘッドコーチの時代に直接聞いていたから。

 あれはヤクルトが最下位に沈んだ19年の秋口。神宮の試合前にヤクルトのクラブハウスで待ち受け宮本と並んで一塁ベンチまで一緒に歩かせてもらったことがある。

 僕は問い掛けた。

 村上は三振が多い。ヘッドコーチとして「三振なんぼしてもかまわんから、どんどん振ってこい」と本人に伝えていたのか?

 そう聞けば、宮本は苦笑いしながら、首を振った。

 「4番ですからね」

 高卒2年目の「30本塁打超え」を褒め称えるのではなく、主砲として、打席内容も所作も求める。「12球団最多の三振数」はどうか…という類の指摘をしていた。きっと村上にも厳しくそんなことを伝えていたのではないか…。

 やはり、優勝チームでも〈首脳陣を含めてチーム仲が良く〉…この番記者談はひっかかる。

 おととい、阪神2軍監督の平田勝男が若い投手を叱責していた。それも公然と。平田の真意を直接聞けないので分からないけれど、首脳陣と選手の間に緊張感は必要…。この続きは次回。=敬称略=

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