後半戦、あるかもよ

 【2月8日】

 沖縄から安芸へ飛んできた。阪神2軍監督の平田勝男が「風はこっちへ来ないのか?」と仰っている…そんな伝言を耳にしたので、お邪魔しました。そして安芸から読者の皆さんへご報告が…。

 あまり仰々しく書くとウソっぽくなるので、ホントは興奮気味に書きたいのだけど筆は冷静に…。

 それほど遠くない将来、必ず阪神でレギュラーを掴む好素材を安芸で見つけてきました。

 当欄は予想屋でもないので、別に〈マスト〉ではないんだけど、毎年この時期に新助っ人や新人の近未来をエラそうに見定め、「きっとこうなる」と予測している。

 ちなみに、昨年の2月はJ・マルテや木浪聖也らがターゲット。「マルテは失敗しない」「開幕ショートは木浪が獲る」と書き切ってみた。実は…というか、当然だけど、そんなふうに書けば、それはそれでカドが立つこともある。

 だって「木浪が開幕ショート」と書いちゃえば、鳥谷敬や北條史也は「そうならない」ということになるのだから、彼らも、彼らのファンも「は?」となる。

 今回ももしかしたら、どこかでカドが立っちゃうかも…でも、そこははっきり書かせてもらう。

 ドラフト4位ルーキー遠藤成は近い将来レギュラーを獲る。

 それがいつになるかと聞かれれば、もちろん断言はできないけれど、この選手は、面白い。

 お昼前に安芸球場に到着し、遠目にグラウンドを眺めていると、背番号45のフォルムが浮かびあがるように視界に飛び込んできた。

 45番って、大卒やったっけ…。

 遠藤をまともに見るのは今回が初めてだけど、それくらい、彼の体つきが周囲の先輩達に見劣りせず、特にバッティングの佇まいは高卒のそれには映らないのだ。

 東海大相模時代は投手・野手の二刀流で甲子園を沸かせたけれどプロでは内野手で勝負する。この日のシート打撃では、呂彦青(ル・イェンチン)から中前打を放った。特にこの一本云々ではなく、たまによく利く当方の鼻が…。

 ねえ、平野コーチ。遠藤って、めちゃめちゃ良くない?

 「そうなんだよ、風さん。あれは、高校生じゃないよ。投手出身だし、まだまだ野球を覚えないといけないんだけど、覚えたら面白い。もしかしたら、後半戦(1軍昇格)あるかもしれないよ」

 2軍の守備走塁コーチ平野恵一は僕にそう語った。

 後半戦って…今シーズンの?

 「うん。そうですよ」

 平野は「見ててよ」といわんばかり、涼しげに頷くのだ。

 各コーチ陣に「遠藤の打撃」に対する評価を聞いたところ、「大きいのも打てる木浪のような…」という声も聞いた。

 そうだ、せっかく安芸まで来たのだから遠藤と話そう。オッサン記者は唐突にこう聞いてみた。

 どのくらいの期間で1軍に上がりたいと考えていますか?

 遠藤ははっきり言った。

 「3年でレギュラーになりたいです」

 なるよ。=敬称略=

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