涼宮ハルヒに触れて

 【8月21日】

 凄惨な京都アニメーション放火事件から1カ月が経った。明日23日から、新宿ピカデリー、MOVIX京都で、京都アニメーションの歴代劇場作品の特集上映が行われることが決まったという。

 アニメにはまるで疎いけれど、先月「京アニ事件」の一報を耳にして、身近な存在が浮かんだ。

 京アニ制作の学園アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』(原作・谷川流)で描かれる学校のモデル=兵庫県立西宮北高校は、僕の自宅から目と鼻の先で、全国から聖地来訪する「涼宮ファン」と思われる方々を何度も見掛けてきたので…。

 前述の特集上映には「涼宮ハルヒシリーズ」もラインアップされているので、これまで縁遠かったアニメ作品に一度触れてこようかと思っている。

 本紙読者で「涼宮-」をご存じの方も大勢いるだろう。だから、無知な僕が知ったかぶりすると怒られそうだけど、劇場へ行く前に予習を…と思い、DVDで少しだけ映像に触れてみると…。

 うわ~、そこに描かれている高台の景色、通勤で歩くあの坂道、いつも見ている、あまりにリアルな描写に感動してしまった。

 ちなみに「涼宮-」で有名になった西宮北高校は、この季節、甲子園出場校の練習場所にもなる。近年では、関東一高のオコエ瑠偉(楽天)もやって来たし、「涼宮-」の情景を懐かしむ元甲子園球児は意外に多いのかもしれない。

 「わたしは自分の目で見たものしか信用しないの。往々にして、伝聞情報には余計なノイズが混じっているものなの。重要なものは一次情報。誰かの目や手を通した2次情報は最初から疑ってしかるべきもの」-。

 これは当方の琴線に触れた主人公・涼宮ハルヒの台詞である。

 第三者を通した情報にはノイズが混じる-。そうなんだよなと頷(うなず)きながら、新聞記者の端くれとして、襟を正してみる。

 読者からすれば、当欄の原稿は2次情報。何度も書いてきたがこの仕事は取材が鉄則である。余計なノイズが混ざらない情報を、余計なノイズを混ぜない筆で伝えているつもりだけど、何年やっていても自問は絶えないものだ。

 木浪聖也が開幕ショート争いを制する。今年は高山俊が外野の一角を奪わなければならない。新助っ人J・マルテは失敗しない。藤川球児が守護神を担うべき-等々今春キャンプから好き放題書かせてもらってきた。当て物じゃないので、取材に基づいて綴ってきたけれど、実は、僕の想定は大きく外れている。選手個々ではなく、阪神というチームの想定である。

 12球団中、9球団の(秋、春)キャンプにお邪魔し、19年シーズンをはかったうえで、当欄は「矢野阪神は勝てる」と弾いた。

 勝てる=優勝…だから、この夜の連勝は嬉しいが、縮まらない巨人とのゲーム差は、辛い。

 「結果論ほど論証が楽な論理はありません」-。これも涼宮ハルヒの名言…。自分で見たものしか信用しないので、諦めず、矢野の勝利を願っている。=敬称略=

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