阪神・佐藤輝 ホームランを打つと必ず天に指さすでしょ あいさつしてるんだと思うの「じいちゃん、ありがとう」みたいに【祖母・美智恵さん手記】
阪神の佐藤輝明内野手(27)の父方の祖母で、宮城県に住む美智恵さん(87)がデイリースポーツに独占手記を寄せた。自宅の一室は“テル部屋”としてグッズや紙面が飾られ、佐藤輝が幼少期にバットを振ったテニスコートは今も残っている。祖母が伝えたいこと、そして孫の輝明へ熱心に野球の基礎を教え、2年前に他界した勲さんの思いも明かした。
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輝明、優勝おめでとう!いい時、悪い時はあるけれど、よくここまでやってるなと思うよ。じいさんがいなくなっても、テルの試合が一番。何にさておいても、それだけはもう見たいですね。近所のみんなにも楽しんでもらって、幸せになってることは確かだね。
孫だからかわいいんですよ。私から見ると、厳しい世界にいて耐えてるわけ。そういう性格ではないのね。どちらかと言ったら優しいの。だからホームランを打つといつも思うのは、テルは器用なんだと思うの。生まれながらにして、神様からいただいたものを持ってるような気がする。
だって、うちの孫があんなにきれいなホームランを打てるって考えられないよね。ああいうふうに打てるのは、生まれながらにして授かったの。テルには悪いんだけど、努力してんのにね。だけど、そういうものも備わって、努力とプラスされて、人に感動を与えてるんだと思う。
人を押しのけてというタイプじゃないんです。でも今ね、押しのけてると思わないけど、森下くんがありがたい。そういう気持ちが少しは出てきたんじゃない?私が言うのおかしいんだけど。「こいつに負けるんじゃないか」とか、そういう気持ちがあるんじゃないかなと勝手に考えてさ。森下くんに感謝してます。森下くんもいいところがあるから、テルのことを吸収して、チームのために2人とも頑張れば良いなと思ってしまう。
確かに器用だったからね。小さい頃からすし作りの名人だったんです。「ばあちゃん、すしのネタ買ってきて?」と言うの。私も言われるままに買ってくるんです。そしたら一人で握るの。上手なの、それが。ちゃんと形ができてて。それを全部自分で食べて(笑)。「テル、みんなにごちそうしなくちゃダメでしょ」と言うと、「だって、僕すし大好きなんだもん」って食べてた。それがえらくかわいかったね。
じいちゃんにはいつも報告するんです。テルもホームランを打つと必ず天に指さすでしょ。じいちゃんに、あいさつしてるんだと思うのね。「じいちゃん、ありがとう」みたいに。そういう気持ちは大切なことなんじゃないかなと思って、喜んでます。
じいちゃんも見守ってくれてるのかなと思いますよ。こんなに順調にMVPをいただいたりできないですよね。でも、じいちゃんに感謝の気持ちはいつも持ってるから、守られてるんだと、どっかで思ってるんじゃないんですか。そういう気持ちは私も好きだから。
じいちゃんは野球が大好きだったね。だから孫がプロになった時、人一倍うれしかったんじゃないかな。本当に幸せだったんですよ。もう5年くらい生きていてほしかったんだけど。もう目に入れても痛くないくらいかわいかったと思うよ。
亡くなる30分前までテルの試合を見てたの。野球を見て、喜んで亡くなったの。なんか不思議な感じですね。30分たって亡くなったから。『出てる!』って喜んでね、大きい声で言ってたんですよ。だから、そんなすぐ死ぬなんて思わなかったの。安心したんでしょうね。最後までテルの世界で死んでいったのかな。
キャンプ前に「テル、ひげが格好悪いよ」と言ったの。おじさんくさくてテルらしくないのね。かわいらしさがないなと思って。そしたら言うことを聞いてくれてさ、私はうれしかった!若い人はおしゃれのためにするのに、こんなばあさんの言うことでも聞いてくれたと思ったら、本当にうれしかったの。「うるせえな」なんて言わないでね。若い人だったら年寄りのこと聞かないでさ、自分なりにするんじゃないかと思ったの。そしたら新聞に載ってたんですよ。「ばあちゃんに言われたから」って。私、涙が出ました。
たまには息子の所へ行って、見たいなと思うけど、なかなかね、時間が取れないんだな。最近は行けてないけど甲子園にも行きたいんです。甲子園に行くと、応援の皆さんが「テル、テル」と言ってもらうと、ずっと頭を下げっぱなしで感謝の気持ちですよ。「テル!」という声がすごいんですもの。本当に幸せですよね。もう今でも私は十分です。私、87歳だもんね。だから、いつどうなったっておかしくない歳だから。でもテルの野球はもっともっと見たいですね。本人もね、野球界のためになるような人間になってほしいですね。
