阪神・坂本 逆転V弾ロード白星締め 今季初セ同一カード3連敗阻止 首位攻防の巨人3連戦、29日にも優勝M24点灯

 「中日3-4阪神」(27日、バンテリンドーム)

 頼れる主将がチームを救った。阪神・坂本誠志郎捕手(32)が起死回生の逆転弾。1点を追う八回1死一塁から左翼席へ9号2ランを突き刺した。今月7本目のアーチで3連敗を阻止し、バンテリンドームでは3年ぶりシーズン勝ち越し。夏のロード最終戦を白星で締めくくり、28日からの巨人との首位攻防戦に弾みをつけた。優勝マジックは最短29日に点灯する。

 この男にはバンテリンドームですら、狭すぎるのかもしれない。坂本がまたしてもキャリアハイを更新する、逆転の9号2ラン。「それまでの打席で全然ダメだった。『何とかしたい』という思い、それだけでいきました」。ウイング席は必要なし。虎党の待つ、左翼席へ放り込んだ。

 1点ビハインドの八回1死一塁。1ボールから橋本の150キロ直球を振り抜いた。「海(植田)くんがプレッシャーをかけてくれたおかげで打てたと思います」。一走は代走の植田。捕手の視点で走られたくないからこそ、速球中心の配球に絞っていたのかもしれない。名古屋での今季最終戦、試合後のヒーローインタビューも常連だ。

 月間成績は強打者の仲間入りを果たしている。8月は18試合の出場で63打数18安打、打率・286、7本塁打、15打点。「僕より打ってるやつが3番、4番にいるので負けないようにと思って、頑張っています」。謙遜したが、森下とは同じ本塁打数。打点は森下より稼いでいる。

 二塁を回ると、左翼席に右手を突き刺した。「レフトスタンドのタイガースファンの皆さんに、なかなかいい思いをさせてあげられていなかったので」。練習前には桐敷とともに、土田を死球で骨折させてしまった謝罪へ井上監督の元に足を運んだ。真剣勝負をしているからこそ、他球団へのリスペクトも忘れない。主将として、一人の野球人として、坂本とはそういう男なのだ。

 8月はここぞでの一発が目立つが、普段はとにかく渋い。MLBを好きになったのも、幼少期は地上波放送よりもBS放送にチャンネルを回していたから。今でも音楽アプリは「Spotify」を愛用している。早出練習では「あいみょん」の楽曲をイヤホンで聴きながら、汗を流すのがルーティンだ。

 やっと甲子園に帰ることができる。首位で伝統の一戦に臨む。2位の巨人とは1・5ゲーム差と気は抜けないが、そんなことは選手が一番わかっている。「試合の意味はみんながわかっている。束になって、一つ一つ目の前の試合を勝てるようにやっていきます」。早ければ29日にもマジックが点灯する。森下や佐藤輝に負けない、強打の捕手が連覇への使者となる。

 ◆4年連続で負け越しなし 阪神は今季バンテリンドームでの試合を7勝5敗で終えた。シーズン勝ち越しは23年の7勝4敗1分け以来、3年ぶり。24年は5勝5敗2分け、25年は6勝6敗で、かつての鬼門で4シーズン続けて5割以上を確保した。

 ◆条件は1勝1分け以上 阪神は最短29日にマジックが点灯する。28日からの巨人との直接対決に○○または○△なら、M24となる。

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