阪神・佐藤輝 因縁ハーン撃ち「やり返せて良かった」八回勝ち越し2点二塁打 4カード連続勝ち越し貯金10

 「広島2-4阪神」(19日、マツダスタジアム)

 虎の4番がやり返した。阪神の佐藤輝明内野手(27)が2-2の八回2死一、三塁から左中間へ勝ち越しの2点適時二塁打を放った。前日18日に胸元へあわや死球の一球を投げられた“因縁”のハーンから決勝打。やられたままでは黙っていない。主砲の一撃で4カード連続の勝ち越しを決め、貯金を再び2桁の10に乗せた。

 ありったけの感情を、塁上で爆発させた。二塁に達した佐藤輝はベンチに向かって両手を掲げ、渾身(こんしん)のガッツポーズを繰り出す。見よ、これが虎の4番だ!接戦に終止符を打つ、魂の決勝打。「いろいろありますけど、もう勝って黙らせるしかないのでね」。その言葉が何に向けてか、誰もが分かっていた。誇りを懸けた勝負の打席。ヒーローへ注がれた歓声と拍手は鳴りやまなかった。

 同点の八回2死一、三塁で打席が巡った。ハーンに対して1ボールから2球連続空振りも、寄せられた期待は決して裏切らない。4球目の外角直球に鋭く反応すると、白球は左中間を抜けた。2者を生還させた適時二塁打に興奮が渦巻く。「もう最高です。いい当たりで(外野の)間を抜けてくれて、翔太(森下)も一塁からかえって来てくれたので本当に良かった」と殊勲の一打を笑顔で振り返った。

 “因縁の再戦”で相手を打ち砕いた。18日の一戦では八回1死でハーンと対戦。3球目の速球が胸元をかすめるとバットを放り投げた。空振り三振に倒れるとベンチで4度、ヘルメットをたたきつけて怒りをあらわにしていた。「やられていたので、やり返せて良かった」と試合後は冷静に話したが、胸の内は想像に難くない。燃える闘志をバットに込め、試合を決めた。

 1点を追う四回1死では投手強襲の内野安打を放ち、自身12打席ぶりの安打で出塁。それが起点となって1点差に詰め寄った。八回に勝ち越し打を打った直後には、続く大山が死球。両軍がベンチから飛び出して一触即発の空気が充満したが、最終的に逆転勝ちを収めた。試合後、バスに向かって歩く主砲には、割れんばかりの声援が送られていた。声をからし「感動をありがとう」と叫ぶ虎党もいた。数え切れないほどの夢を背負い、力強い足取りでタフな戦いで輝きを放っている。

 チームは4カード連続の勝ち越し。貯金を再び10として首位の座を保った。「みんなで勝ちに向かって一致団結ができていると思うので、このまま続けていきたい」と佐藤輝。不屈の心を宿し、見る者の心を揺さぶる一打を響かせていく。

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