阪神・粟井球団社長 銀傘拡張は「世界が平和で決して戦争をしないというメッセージ」球団創設100周年は「日本一」

 阪神の粟井一夫球団社長(61)が24日までにデイリースポーツのインタビューに応じた。2リーグ制以降では球団初となる連覇を目指す猛虎。藤川球児監督(45)は若手を積極起用しながら首位争いを演じ「育てながら勝つ」を実践している。一方で球団は事業で得た収益をチームの育成、強化にも還元し「稼ぎながら勝つ」という好循環を確立。常勝チームとして創設100周年に向かう球団トップが、自らの経営理念を語った。

   ◇  ◇

 -球団として今が最高の状態に見えるが、今後の展望は。

 「チームで言えば、動作解析システム『モーションキャプチャー』やバーチャルバッティングマシン『トラジェクトアーク』といったテクノロジーを積極的に導入している。動作解析に関してはデータを集め始めたところで、それを生かして結果につなげることが大事だと考えている。まだまだ『未開の地』だが、これらの先行投資は必ず結果につながると信じている」

 -営業面では。

 「キャンプ地やビジターの了解をいただいて、期間限定のショップを出すとか。最近では電子トレカサービス「タイガースコレクション」を始めている。これが今までとは比べものにならないくらい数字が上がってきている。球場に来られていない方にも価値や楽しさを提供し、お金をいただいて、それをまたチームに回していくことができる」

 -普及振興活動にも力を入れている。

 「今だからこそできるという側面もある。これまでもやってきたが、昨年に野球振興室を立ち上げて強化している。チームや営業が良い状態でないと強く推し進められない」

 -野球振興室は球団本部などと同格の扱い。

 「タイガースとして、野球の普及・振興への取り組みの本気度を示すとともに、例えばアカデミーコーチには引退したOBがたくさん就いているが、球団本部にもメリットがある。将来的にコーチ、スコアラー、スカウト、営業などへの適性を見ることもできる。選手にとってもセカンドキャリアとして安心できる。上本(博紀)君が1軍のコーチに行ったり、うまく回り出している。野球の普及振興だけではなくチーム、フロント、営業の強化といった、人材育成の面からも意味がある」

 -改めて球団創設100周年に向けて。

 「甲子園球場は2024年に100周年を迎えたが、タイガースと球場はリンクしている。今回のリニューアルでは『銀傘』をアルプススタンドまで拡張する。戦前もアルプススタンドは『大鉄傘』と呼ばれた屋根で覆われていたが、太平洋戦争による金属供出で全て取り外された。前回のリニューアルでは工期の関係で戻せなかったが、今回は暑さ対策の一環に加えて、世界が平和で決して戦争をしないというメッセージも込めて本来の姿に戻す。甲子園球場もタイガースも歴史があって、ファン、OBがあって支えていただいている。それを90周年で再認識させていただいた。タイガースの100周年は一つの節目。それまでの目標は強いチーム、稼げるチームで(成績が)下がった時にできるだけ耐えること。そのためには今、売っていないものを売らないといけなし、チームも今、やっていないことをやって強くしないといけない」

 -100周年も満員の景色を見られれば。

 「今後も毎年、満員で優勝争いを必ずして、その中で100周年は絶対に勝つ。90周年はセ・リーグで勝ったので、100周年は日本一ですね」=終わり=

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